研究課題/領域番号 |
07454238
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研究種目 |
一般研究(B)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
國田 寛 九州大学, 大学院・数理学研究科, 教授 (30022552)
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研究分担者 |
濱名 裕治 九州大学, 大学院・数理学研究科, 講師 (00243923)
谷口 説男 九州大学, 大学院・数理学研究科, 助教授 (70155208)
川島 秀一 九州大学, 大学院・数理学研究科, 教授 (70144631)
宮川 鉄朗 九州大学, 大学院・数理学研究科, 教授 (10033929)
吉川 敦 九州大学, 大学院・数理学研究科, 教授 (80001866)
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キーワード | 確率微分方程式 / 安定過程 / 自己相似性 / ランダム媒質 / 確率偏微分方程式 |
研究概要 |
ユークリッド空間上のブラウン運動や安定過程は自己相似性を持っているが、リー群上のブラウン運動や確率微分方程式で定まる拡散過程では必ずしも自己相似性が成立せず、どんな(恒等変換以外の)変換(微分同型)をとっても自己相似にならない場合がある。本年度は自己相似になるための条件を明らかにするとともに、それを熱核の漸近挙動の研究に応用し次の成果を得た。 1)ユークリッド空間上の作用素安定過程に関するSharp, Eurek, Sato等の研究を発展させて、べき零リー群上のLevy過程が安定又は自己相似になるための条件を、その生成作用素の表現を通して明らかにした。 さらにこの結果を応用して、確率微分方程式で定まる等質空間上の確率流(Stochasticflow)について、それが自己相似になるための条件を方程式の形より明らかにした。 2)熱核の微小時間に対する漸近挙動の研究に確率論的手法が用いられているが、その証明を見るとブラウン運動の自己相似性がキ-ポイントになっている。本研究では確率流の自己相似性、漸近的自己相似性が熱核の漸近挙動を解く一つの鍵であることを明らかにした。 ランダム媒質の上の拡散過程の半群の構造を明らかにする問題をKiferと共同で取り組んだ。その結果、その生成作用素はフィルタリング問題で扱われるZakai型の確率偏微分作用素であることが明らかになった。(国田) 4)無限次元確率解析の分野においては、Malliavinとの共同研究により抽象ウィナー空間上の実解析汎関数の正則拡大について成果が得られた。(谷口)
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