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1996 年度 実績報告書

環八雲の観測とモデル化に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 07454247
研究種目

基盤研究(B)

研究機関筑波大学

研究代表者

甲斐 憲次  筑波大学, 地球科学系, 講師 (50214242)

研究分担者 岡田 菊夫  気象庁, 気象研究所, 室長
木村 富士男  筑波大学, 地球科学系, 教授 (10225055)
キーワード環八雲 / 航空機観測 / エアロゾル層 / ライダー / 大気汚染 / 混合層 / 海陸風
研究概要

東京上空には自然起源のエアロゾル(海塩粒子,土壌粒子など)のほか,人間活動によるかなりの量のエアロゾルが浮遊している(ここでは東京エアロゾル層と呼ぶ).エアロゾルの排出源として,工場などの固定排出源と自動車などの移動排出源がある.東京エアロゾル層は,環八雲の形成要因として重要である.
本研究では,このような東京エアロゾル層の動態を解明するために,1996年の春季(3月27日〜28日)と夏季(8月5日〜10日),東京都の江東区,世田谷区,八王子市で,航空機・ライダー・境界層観測を実施した.
春季航空機観測により,ヘリコプターによる観測手法を確立することができた.夏の本観測の期間中は,夏季としてはめずらしく,北東気流が吹き,曇りがちの天気となった.晴れ間のみえた8月9日,航空機観測を行い,都市混合層と自由大気におけるエアロゾル・気象要素の空間分布を探ることができた.都市混合層とその上空の自由大気との間で,エアロゾルの粒径分布や組成に差異が認められた.また,北東気流系のとき,関東平野に分布する積雲の特徴を観察することができた.
観測のハイライトは,航空機観測・ライダー観測・ラジオゾンデ観測がよい一致をみたことである.このことは混合層によって,地上起源のエアロゾルが鉛直方向に輸送され,エアロゾル層が形成されることを意味する.エアロゾル層の上限高度は混合層高度とほぼ一致した.エアロゾル層の中では粒径分布がほぼ一様で,ススが多いのが特徴である.もう一つのハイライトは,江東区→世田谷区→八王子市と内陸に行くに従って,1)混合層が高い,2)積雲が厚く発達しているなど特徴がみられることである.

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Murayama,T,K.Kai et al.: "Depolarization ratio measurements in the atmospheric boundary layer by lidar in Tokyo." J.Meteor.Soc.Japan. 74・4. 571-578 (1996)

  • [文献書誌] 甲斐憲次ほか: "東京エアロゾル層の動態に関する航空機・ライダー・境界層観測" 第22回リモートセンシング講演論文集. 22. 19-20 (1996)

  • [文献書誌] 中島勇人・甲斐憲次ほか: "アイセーフレーザーによる大気環境計測" レーザー研究. 25・1. 50-54 (1997)

  • [文献書誌] 甲斐憲次ほか: "東京エアロゾル層の動態に関する航空機・ライダー・境界層観測II" 日本気象学会1997年春季大会講演予稿集. 71(発表予定). (1997)

  • [文献書誌] 太田稔・甲斐憲次: "夏季の東京におけるエアロゾル層形成過程に及ぼす混合層" 日本気象学会1997年春季大会講演予稿集. 71(発表予定). (1997)

  • [文献書誌] 脇山勘治・甲斐憲次: "夏季の南関東における海陸風による汚染物質の輸送" 日本気象学会1997年春季大会講演予稿集. 71(発表予定). (1997)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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