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1995 年度 実績報告書

光合成モデル電子移動の新しい分子場制御-局所電場と水素結合

研究課題

研究課題/領域番号 07454249
研究種目

一般研究(B)

研究機関京都大学

研究代表者

大須賀 篤弘  京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (80127886)

キーワードポルフィリン / 光合成反応中心 / 電子移動 / 電場効果 / 水素結合
研究概要

1、ポルフィリン-ピロメリットイミド2元系分子のピロメリットイミド側に正電荷として4級アンモニウム塩サイトを有するモデルを合成した。様々な位置に長鎖アルキル基などを導入したところ、DMFやアセトニトリルといった極性溶媒だけでなく、塩化メチレンやTHFあるいはベンゼンやヘキサンといった無極性溶媒やも充分な溶解度を持っていることがわかった。低極性溶媒中では、局所静電場効果が大きく、電子移動反応に大きな影響を与えると期待できる。実際にこうして合成した分子の蛍光を分子会合が起きないような非常に希薄な濃度で測定したところ、極性溶媒中では分子内電子移動のため、蛍光消光が見られたが、荷電サイトの付加による蛍光消光の増強はわずかであった。一方、無極性溶媒中では、イオンペアの安定化が不十分なため、ポルフィリン-ピロメリットイミド2元系分子の蛍光消光は見られないが、荷電サイトを付加した分子では、非常に強い蛍光消光が見られた。
2、ジイミド型電子受容体と水素結合を形成しうる2、6-ジアシルアミノピリジン側鎖を有するポルフィリンモデルを合成し、まずNMRなどにより基底状態での会合定数を決定したところ、それほど高くないもののベンゼンなどの無極性溶媒中で水素結合型錯体を形成することがわかった。今後、ほとんどすべてのポルフィリンがゲスト分子と会合している状態で過渡吸収を測定し、電荷分離速度と電荷再結合速度を決定する予定である。生成したイオンペアの直接観測ができれば、正方向だけでなく逆方向の電子移動に対する水素結合の効果を見積ることができると期待でき、有望である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 大須賀 篤弘: "Change Separation in 2inc-Diporphyrin-2inc Porphyrin-Pyromellinimide Quinone Tietrads" Chemistry Letters. 1995. 591-592 (1995)

  • [文献書誌] 大須賀 篤弘: "Synthesis of Partially Metalated, Conformationally Restricted Oligomeric Porphyrius for Study Photosynthetic change Jeparation" Tetrakedron Letters. 36. 5781-5784 (1995)

  • [文献書誌] 大須賀 篤弘: "Intracomplex Election Transfer in a Hydrogen-Bonded Porphyrin-Diimide System" Chemistry Letters. 1995. 913-914 (1995)

  • [文献書誌] 大須賀 篤弘: "Synthesis and Intramelecular Electron- and Energy-Tranfer Reactions of Polyyne or Polyene-bridged Diporphyrins" Journal of Organic Chemistry. 60. 7177-7185 (1995)

  • [文献書誌] 大須賀 篤弘: "A Sequential Electron-Transfer Relay in Dipurphyin-Porphyin-Pyremellitimide Triads Analogous to that in the Photosynthetic Reaction Center" Angewanate Chenie, Iuternational Edition, English. 35. 92-95 (1996)

  • [文献書誌] 大須賀 篤弘: "A Stepwise Electron-Transfer Relay Mimicking the Primary Change Jeparation in Bacterial Photosynthetic Reaction Center" Journal of the American Chemical Society. 118. 155-168 (1996)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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