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1997 年度 実績報告書

エバネッセント光励起による単原子層エッチングのSTM観察

研究課題

研究課題/領域番号 07455005
研究機関東京大学

研究代表者

前田 康二  東京大学, 工学系研究科, 教授 (10107443)

研究分担者 目良 裕  東京大学, 工学系研究科, 助手 (40219960)
キーワード単原子層 / エッチング / 光励起 / STM / RHEED / ハロゲン / 半導体 / 電子励起
研究概要

表面微細加工の究極的技術である表面1原子層毎のエッチング(単原子層エッチング)を実現する方法として、光を用いて表面の原子を選択的に電子励起し非熱的に脱離させることを試みる。今年度はSi/ハロゲンガス系について、どのような条件で単原子層エッチングが実現するかを基礎的見地から明らかにすることを目指して、次のことを行なった。
1.光誘起エッチングの励起波長スペクトル測定
Si(111)7x7試料表面にAgCl電気分解セルを用いて塩素原子を飽和吸着させ、Nd-YAGレーザー励起色素レーザーもしくは光パラメトリック発振器からのパルス光(3ns)を照射し、Auger電子分光法により光誘起エッチング速度を照射波長の関数として測定した。この結果、200nm台の紫外光域には285nmと245nmの2つの波長で励起ピークを示す2つの異なる脱離機構が存在することが明らかになった。
2.光誘起エッチングの励起強度依存性の測定
それぞれのピーク波長において励起強度に対するエッチング速度の依存性を測定したところ、285nm域では励起強度に対しsupralinearに依存してエッチング速度が増加するのに対して、245nm域では励起強度に比例してエッチングが起こることが分かった。
3.光誘起エッチングの機構に関する考察
285nm域の励起スペクトルは基板のバルクSiのバンド間吸収のスペクトルと良く一致することから、バンド間吸収によって生じたキャリア(正孔)が表面の脱離サイトに複数個集まって脱離が起こるとの機構が有力であるとの結論に達した。245nm域の脱離は表面の脱離サイトの直接励起によるものと推定される。このサイトがステップエッジであれば励起波長によるサイト選択性によりステップエッジ後退を優先的に起こさせ単原子層エッチングできる可能性がある。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] M.Inoue et al.: "Electronically enhanced kink motion on 30° partial distocations in Ge directly observed by plan-view high resolution electron microscopy" J.App1.Phys. 83-4. 1953-1957 (1988)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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