研究課題/領域番号 |
07455007
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研究種目 |
一般研究(B)
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
竹田 美和 名古屋大学, 工学部, 教授 (20111932)
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研究分担者 |
田淵 雅夫 名古屋大学, 工学部, 助手 (90222124)
藤原 康文 名古屋大学, 工学部, 助教授 (10181421)
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キーワード | 異種V族 / 半導体 / 量子構造 / 原子層制御 / 成長 / 評価 |
研究概要 |
異なるV族を持つIII-V族半導体のヘテロ界面は、デバイス応用上たいへん重要な構成要素であるが、お互いに高い蒸気圧を持つ場合は特にその急峻な接合界面の形成が困難である。また、量子機能を発現させるためには、ヘテロ界面が1原子層のオーダーで急峻に組成または構造が変化する必要がある。このようなヘテロ構造の作製は、従来から存在する、原料を順次送り込む成長方法では形成不可能である。我々は、新しく設計した成長装置と、1原子層のレベルで界面構造を明らかにできる蛍光EXAFS法及びX線CTR散乱法を用いて、このような構造と量子機能を実現するため、本研究を遂行している。 成長装置では、縦型多槽構造を持つ本研究室独自の構造である。これにより、V族原料を異なる槽内で基板に供給でき、V族原料の混入を回避できる。InP/InGaAsという最も重要なヘテロ構造を例にとり、界面の急峻性およびAs、Gaの分布を明かにするため、放射光を用いた蛍光EXAFS法とX線CTR散乱法(それらの評価法の開発と展開は我々の従来からの研究成果である)による評価を行った。これにより、1原子層レベルでの急峻性、組成分布を明らかにするとともに、従来、III族元素は急峻に切り替わるを信じられていた神話が、これらの評価法によって、完全に崩れた。我々は、成長法と構造に対する考え方の基本を根本的に改める必要がある。これらは、いずれも、II.研究発表の項に示す論文及び国際会議、国内会議等で報告している。 引続き、次年度では、1原子層レベルで制御されたヘテロ構造の実現と、このような構造における量子効果の測定を行う。
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