研究概要 |
研究は当初の目標を計画通り達成した。そして、本研究で構築されたシステムによりSrSi2,CaSi2,パイロクロアLa_2Sn_2O_7、GaNの電子密度分布を明らかにし、それぞれ、原子の結合形態について新たな知見を得ることができ、物理学会、結晶学会等において研究成果を発表することが出来た。成果については、投稿を準備中である。 また、昨年に引き続き、今度は2個の金属原子を内包しているといわれている金属内包フラーレンSc2@C84の構造解析に世界で初めて成功した。この成果は、現在、欧文雑誌Physical Review Lettersに投稿中である。8月に米国で開かれた国際結晶学会(International Union of Crystallography,XVII Congress and General Assembly,August 8-17,1996,Seattle,Washington,U.S.A.)において、本研究の成果を中心に招待講演を行い、高い評価を受けた。これらの研究成果は金属内包フラーレンの研究がさらに発展する契機となるものであり、この研究分野の研究者に重要かつ詳細な構造情報及びこれからの研究の指針を与えうるものと思われる。 この様に、本研究は当初の予想以上に大きな成果を挙げることができたと考えている。
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