研究課題/領域番号 |
07455018
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研究種目 |
一般研究(B)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
長谷川 修司 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (00228446)
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研究分担者 |
井野 正三 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (70005867)
長尾 忠昭 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (40267456)
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キーワード | シリコン / 表面超構造 / 表面電気伝導 / 走査トンネル顕微鏡 / 蒸着 / 金属・半導体界面 / 2次元ガス相 / ドメイン |
研究概要 |
1.複数のマスクパターンによるマスク蒸着が可能で、液体窒素温度まで冷却可能なRHEED試料ホルダーを製作した。また、作成した表面に脱着可能な、電気特性の測定のための4端子プローブも取り付けた。これによって、表面構造とそのドメイン構造が良く制御された試料を作ると同時に、その電気特性の測定もその場で行えるようになった。その結果、例えば、Si(111)7×7清浄表面ドメインとSi(111)-√<3>×√<3>-Agドメインの境界をまたいで電流・電圧特性を測定すると、奇妙な特性を示した。その現象の解釈はまだ明らかでないが、たしかにドメイン境界が電気特性に著しい影響を及ぼしていると考えられる。 2.室温に保ったSi(111)-√<3>×√<3>-Ag表面上にさらにAg原子を蒸着すると、2次元ガス相を形成して表面電気伝導度を著しく高めることを見いだした。さらに、蒸着を続けて2次元ガス相が臨界濃度を越えると、3次元Ag安定核が形成され、それによって2次元ガス相の濃度が減少し、表面電気伝導度もそれに従って減少することを見いだした。このように、電気伝導度の実時間測定により、吸着原子のダイナミクスを追跡できることがわかった。 3.低温STM走査トンネル顕微鏡(STM)観察を可能とし、これによって、低温に保ったSi(111)-√<3>×√<3>-Ag表面上にさらにAgを蒸着した時に形成される√<21>×√<21>および6×6構造の原子像観察を行ない、構造モデルを得た。特に、√<21>×√<21>相は非常に高い表面電気伝導度を示すが、STM観察の結果と考え会わせ、構造と電気伝導特性を考察したが、詳しくは現在検討中である。
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