研究課題/領域番号 |
07455025
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
表面界面物性
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
梅野 正隆 大阪大学, 工学部, 教授 (50029071)
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研究分担者 |
志村 考功 大阪大学, 工学部, 助手 (90252600)
田川 雅人 大阪大学, 工学部, 助手 (10216806)
大前 伸夫 大阪大学, 工学部, 助教授 (60029345)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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キーワード | シリコン / 熱酸化 / 酸化膜 / NF_3 / RTO / SOI |
研究概要 |
Siの高速熱酸化(Rapid Thermal Oxidation : RTO)ならびに低温熱酸化では、界面で発生する応力の緩和が不十分で格子間原子の放出が著しく、酸化膜の物性値や界面状態が時々刻々変化するため、通常の熱酸化機構で解釈することができない。さらに、SOIでは埋め込み酸化層が存在するため応力状態が複雑で、良好な酸化膜を作製する上で多くの問題が生じる原因となっている。本研究では、酸化過程の動的解析に適した装置を作製して、酸化膜の制御と酸化機構の解明につながる実験手法を確立した。その結果、低温熱酸化についての多くの興味深い基礎データを蓄積し、新しい知見を得ることができた。それらを箇条書きにすると次の様である。 1. in-situエリプソメータによる酸化曲線から、反応及び拡散に関する酸化パラメータの時間的変化を解析する手法を確立し、温度による酸化機構の相違を明らかにした。 2.低温熱酸化では、格子間Si原子の放出が律速過程となることを明らかにした。 格子間Si原子放出の応力モデルを提唱し、実験的検証をした。 3.酸化温度と酸化種を変えた酸化速度の面方位依存性から、熱酸化における真性応力の寄与を明らかにした。 4.適当量のNF3を添加により、酸化膜の残留応力が低減し、C-V特性が著しく改善されることを明らかにした。 5.酸化膜をX線回折により調べ、酸化温度・酸化種・面方位により構造に相違のあることを明らかにし、熱酸化膜は単純な非晶質ではないと言う重要な知見を得た。
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