近年、レーザ光の応用範囲は拡大化しており、その重要性は高まる一方である。これは、レーザ光が優れた時間的・空間的コヒーレンス性を有していることによる。これに対して本研究では、高い空間的コヒーレンスと時間的コヒーレンスの制御が可能と考えられる新しいレーザであるファジィモードレーザを取り上げ、動作機構を明らかにすると共に、その応用検討を目的として研究を進めている。 現在までの研究成果は、以下に示す通りである。 1.ファジィモードレーザのスペクトル構造は、連続的にチャープした複数の縦モード構造であり、周波数チャープレートは、音響光変調器による周波数シフトと周回数の積に等しく、数100ペタヘルツ/秒という驚くべき値を有する。さらに縦モード間隔に等しいモード構造を有することが確認できた。 2.マイケルソン干渉計におけるビ-ト信号周波数と光路差との関係からファジィモードレーザがリフレクトメトリーに有効なことが確認できた。
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