研究課題/領域番号 |
07455036
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研究種目 |
一般研究(B)
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
日比野 倫夫 名古屋大学, 理工科学総合研究センター, 教授 (40023139)
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研究分担者 |
田中 成泰 名古屋大学, 工学部, 助手 (70217032)
花井 孝明 名古屋大学, 工学部, 講師 (00156366)
小粥 啓子 名古屋大学, 理工科学総合研究センター, 助手 (60262862)
丹司 敬義 名古屋大学, 理工科学総合研究センター, 助教授 (90125609)
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キーワード | 電子顕微鏡 / TVシステム / 高効率シンチ-タ / YAG |
研究概要 |
単結晶YAGを用いた、明かるく、高解像度な透過形電子顕微鏡像観察システムの開発に当たり、現在までに、以下のような結果を得ている。 1.100kV電子顕微鏡用シンチレータ: YAGの高屈折率(1.84)による全反射の影響を抑制するため、半球型YAGを用いることにより、レンズ結像型システムでは従来用いられている平板型YAGより約4倍明るい像が得られることが分かった。 2.HVEM用のTVシステム: YAG中における1MeV電子による発光量、電子の拡がりによるボケ等を考慮に入れた最適光学系の設計が終了した。この場合、電子の拡がりによる像のボケが解像度を低下させることに注意を要する。1MeV電子がすべてYAG中でエネルギーを失う時には、発光拡がりが数百μmに達し、100kV電子顕微鏡の時のような半球型YAGを用いることが出来ない。そこで、発光拡がりを抑え、かつ半球による効果を持たせるために、半球型の光学ガラスを平板YAGとを密着させた電子-光変換系を考察した。一般的な屈折率1.52の光学ガラスを用いた予備的実験では、取り込み光の損失をYAGとの屈折率の差から予想される通りの約20%に抑さえることが出来た。現在、YAGの屈折率に近い高屈折率ガラス(n=1.81)を採用した変換系を作製中である。 3.YAGの表面処理: 絶縁性の高い結晶に導電性をもたし、同時に、熱的変形を防ぐために表面に導電性薄膜をコーティングした。予備実験には、コーティング材として、炭素とアルミニウムの蒸着膜を用いたが、背面方向に放射された光を効率良く集めることが出来るアルミニウムの方が明かるい像が得られた。現在、最適な膜厚を検討中である。
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