研究分担者 |
島本 聡 埼玉工業大学, 工学部, 助教授 (10118664)
松本 實 東北大学, 素材工学研究所, 講師 (30006043)
木村 久道 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (70250818)
高木 敏行 東北大学, 流体科学研究所, 助教授 (20197065)
谷 順二 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (30006192)
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研究概要 |
大きな温度〜変態ひずみヒステリシスを有する2元系TiNi形状記憶合金をAl,Epoxy母材複合材料に取り込んだ試験片での、TiNiファイバ変態温度を挟んで、低温側での制振性向上、高温側での材料強化作用は、再度明確に確認された。 また、切欠入りTiNi/エポキシ試験片での光弾性縞模様から、K値の急減も確認され、これらはいずれも等価介在物法により、理論的にも解析され、ほぼ良い一致を見た。 また、それらの応用として、破壊発生直前に材料内部から起こるAE弾性波を検出出来る圧電センサー/アクチュエータSMA繊維強化インテリジェント複合材料システムを研究室レベルで試作した。そして、地震等の機械構造物の突発破壊を防げるシステムを構築しつつある。 当初の目標にほぼ従う形で以下の研究成果が得られつつある。 (1)TiNi繊維強化型/Al金属基複合材の製作プロセス確立と材料強度試験 (a)Al粉末焼結法により、TiNi/Al板(ファイバ含有率Vf=3%)を安定して作成出来た。 (b)逆変態温度(Af=60℃)以上では、予ひずみTiNiファイバの圧縮応力効果により母材側は強化され、降伏応力などの材料強度上昇が確認出来た。 (発表:Y.Furuya:Proc.of MIMR'95(SENDAI,95/9/26-29).313) (2)TiNi/Epoxy樹脂光弾性モデルを用いた破壊靱性(K-値)抑制実証実験では、90℃(>Af温度)電気炉路雰囲気中で縞次数(=K値)減少効果が確認された。 (発表:島本、古屋、田谷:日本機械学会材料力学部門講演会講演論文集(M&M95,盛岡、95/8.23-24).(1995)67) (3)Eshelby等価介在物法による、降伏応力およびK値の理論解析により、高温側強化効果もおおよそ見積でき、両者はほぼ良い一致をみた。 (M.Taya,A.Shimamoto,Y.Furuya:Proc.ICCM'95(Whisler.Canada,95/Aug.14-18) (4)AEセンサーをTiNi/Epoxy複合材表面に設定し、部材に急速な割れ(破壊)が発生する直前レベルでのTiNiファイバに直接通電加熱によるSMA圧縮回復力を利用した、AEセンサとマイコン判断を組み込んだ、 "突発破壊防御インテリジェント材料システム" を開発した。 (発表:Y.Furuya:Proc.of MIMR'95(SENDAI,95/9/26-29).313および谷らの研究発表紹介:日刊工業新聞95/10/4.NHK&BS JAPANニュース95/10/2など)
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