研究課題/領域番号 |
07455048
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研究種目 |
一般研究(B)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
奥田 洋司 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (90224154)
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研究分担者 |
吉村 忍 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (90201053)
矢川 元基 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (40011100)
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キーワード | グリッドレス法 / エレメントフリー法 / CAD / CAEシームレスシステム / 超並列 / アダプティブ解析 |
研究概要 |
本研究では、有限要素法や差分法に代表される格子法とは異なるアプローチ、すなわちグリッドレス法をアナライザとしてCAEシステムの中核に据えることが主な目的である。そのために、第1年度目は2次元ポアソン問題、弾性問題のグリッドレス法のプロトタイプコードを開発した。グリッドレス法としては、(i)基本アルゴリズムとして移動ガラーキン法を用いる、(ii)有限要素法の剛性マトリックス作成手順を変更してグリッドレス法とする、の2つの方法を検討した。前者については、完備性や境界条件などに関する予備的検討の後、コードの検証問題として円孔付き平板(応力集中問題)、き裂付き平板(応力特異性問題)をとりあげ、グリッドレス法と従来の有限要素法との比較を行い、同等の精度が得られることがわかった。後者については、有限要素法において要素情報を必要としない、あるいは要素の存在を意識させない解析アルゴリズム、およびその超並列計算機環境への適用に関する研究が行われた。節点ベースのデータ構造を基にローカルかつ暫時的に要素を定義して剛性マトリックスを評価することにより、一種のメッシュレス法が実現できた。また、本コードの並列化アルゴリズムの検討を行い、試行的に超並列計算機(AP1000)に実装した。第1年度目はグリッドレス法の基礎的な部分の検討を行う予定であったので、それについてはほぼ順調に研究を遂行できると言える。ただし、前者の手法については、計算精度についてはまだ検討中の部分もあり、流体解析への応用、プリプロセッサとの結合によるシステム化については、アダプティブ解析手法の確立を行った後に着手する必要がある。また、後者については、今後、本手法をより高度化するためにボロノイ分割の利用、高次要素タイプのサポート、アダプティブ解析等への適用が考えられる。
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