研究概要 |
本年度は非平面ホログラフィ露光を行うに必要な計算機ホログラムの自動生成プログラムを作成した.また,描画装置によりバイナリーホログラムを製作した.これまでにいくつかの計算機ホログラムの製作方法が提案されているが非平面の露光に適したホログラムの計算方法を検討した.その結果,フレネルホログラムにおいて光軸方向のデータを投影により圧縮する方法を採用し,露光用プログラムを開発した.理論解析により露光時の光量,位相差の発生方法など特性の検討を行った.さらに露光の光量分布やノイズを予め予測するためホログラムから実像を発生させるシミュレーションプログラムを作成した.また画素数と計算時間の関係について検討した.段差(5cm)のある面上への露光用ホログラムを製作した.ホログラムのピクセルは1μm角で400×400ピクセルでアライナーにより描画した.露光時の開口数を上げるため,離れた位置に2個のホログラムを描画し,高さ方向の分解能を改善した.He-Cd紫外線レーザ(波長325nm)を用いてホログラフィック露光の実験を行った.これにより非平面への露光が行えることを確認した.コヒーレンスノイズを低減するため,空間的にインコヒーレントな光源による格子状パターンの露光について検討した.この場合,ステンシルマスクの組み合わせにより原子線の干渉により直接パターンの発生が可能であることを示し,その条件を明らかにした.
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