研究概要 |
小型ラジアルガスタービン用遠心圧縮機の小流量域における性能向上のため,入口案内翼の設定角度を半径方向から周方向に大きく傾けると異音が発生し,圧縮機性能が低下することが分かってきた.この原因を明らかにし,性能低下を防止する手段の確立を目的として研究を行っている.今年度は,流動状況を明らかにするため,申請したアルゴンイオンレーザー可視化装置を購入した.そして,既存の入口案内翼に相当する環状翼列を,流れが可視化できるように,アクリル樹脂を用いた流路に改造した.この装置を用いて,アルゴンイオンレーザーによる翼列近傍の流動状況の把握に努めた.また,熱線流速計による翼列後流の変動流速分布の測定,壁面の変動圧力分布の測定を行い,異音の発生する条件,卓越周波数の確認,及びその原因が翼面からの剥離であること等を明らかにした.さらに,その剥離域の伝播が通常の圧縮機静翼列における旋回失速とは逆方向であることを明らかにした. 流れの可視化の他に,購入したエンジニアリング・ワークステーションを用い,数値解析するための基礎モデル及び基礎コードの検証を行っている. 以上の実験結果の一部である熱線流速計により測定した翼列直後の変動流速分布と翼列取り付け角度との関係,卓越周波数と流速の無次元表示による関係などを,所内報の生産研究に速報として掲載した.
|