研究概要 |
平成7年度は,主にBWR燃料の代表的なGrid Type Spacerおよび実形状に近いSlit Type Spacerを模擬した流動障害物を環状流路内に設置し,加熱された表面でのドライアウト生成の状況を実験的に調査し,以下の結論が得られた. 1.Grid Type Spacerの場合、表面張力の効くクリアランスの狭い部分で液体が淀みやすい.この液体がスペ-サ上流部の液の供給を阻害するため,Ring Type Spacerと比較し低熱流束域において液膜のドライアウトが発生し,危険な状態になり易い. 2.Slit Type Spacerの場合,Slitを通してスペ-サ内からスペ-サ外への液体の流出があり,スペ-サ上流部への液体供給を促進する効果が得られることが期待されたが,現状のSlit Size(5×20mm)では,ドライアウトの発生を緩和するまでの効果は得られなかった. 3.スペ-サ内のクリアランスは,ドライアウトの発生と密接な関係がある.特に,クリアランスのない密着型スペ-サの場合にドライアウトは早く発生し,次にGird Type Spacer, Ring Type Spacerの順であった.このことから,クリアランスがある場合でも,周方向のクリアランスが均一化するほど,ドライアウトUDRの発生を遅延する効果がある. 4.液膜が十分に薄い場合,熱伝達は急激に向上する.このことはドライアウト発生の直前に加熱管が急冷し、その後壁温が上昇することを意味している.
|