研究概要 |
軸対称の対向流火炎バ-ナを製作し,熱電対およびガスサンプリングプローブ,ガスクロマトグラフィを用いて対向流拡散火炎中の温度および主要成分の分布を測定した.また,NOからの微弱な蛍光を検出するための超高感度の高速ゲートイメージインテンシファイアを購入した.レーザ誘起蛍光法においては,レーザ光が空間的にガウス分布状の強度分布をもっていて一様でないこと,検出器(イメージインテンシファイアおよびそれに続くCCDカメラ)の感度がピクセルごとに必ずしも一様でないこと,励起された分子が蛍光を発する際に衝突失活が大きく問題になることなどから,検出された2次元的な蛍光強度分布から濃度分布を正確に算出することが容易ではない.従って,まずそのような定量化の方法を確立するために,NOの測定の前段階として,比較的多量に存在して測定しやすいOH分子の測定を試みた.一方で,既存のパーソナルコンピュータを利用してC1までの成分に対する詳細な反応機構と正確な輸送係数を考慮した数値計算を行ない,温度分布,主要成分およびOHの濃度分布について計算結果と実験結果を比較した.その結果,温度と主要成分の分布については互いに十分に一致することがわかり,またOHについては衝突失活の影響によって発生する濃度測定の誤差が拡散火炎の場合では約30%以内であることが明かになった.NOについては平成8年度に持ち越し,C2以上の成分とNO生成機構に基づいた数値計算と並行してレーザ誘起蛍光法による測定を行なう.
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