研究課題/領域番号 |
07455095
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研究種目 |
一般研究(B)
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研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
大竹 一友 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (80016427)
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研究分担者 |
成瀬 一郎 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (80218065)
吉川 典彦 名古屋大学, 工学部, 助教授 (60135423)
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キーワード | 石炭 / マセラル / 灰分 / 着火温度 / チャー構造 / スラグ層 / 反応速度 |
研究概要 |
本研究計画の初年度である平成7年度では、まず、石炭の基礎物性である工業および元素分析細孔径分布、比表面積、表面および内部構造、マセラル組成、灰組成など石炭の科学的あるいは物理的な物性を詳細に定量化した。つぎに、石炭の燃焼性の指標の一つである着火温度を原炭および人工的にマセラル分離した試料についてそれぞれ測定し、マセラル組成と着火特性の因果関係を明らかにした。さらに、溶融スラグ層上における単一石炭粒子のバッチ反応実験により、石炭の燃え切り性を支配している石炭中の灰分と可燃分との関係を明らかにした。 実験の結果、以下のことが明らかとなった。(1)マセラル成分の1つであるビトリナイト含有率が高い石炭ほど着火温度が低くなる。(2)マセラル組成とともに燃焼過程中の粒子内構造変化も着火特性に影響を及ぼし、網目タイプのチャー構造を呈する石炭ほど低温で着火する。一方、単一石炭粒子のバッチ高温反応実験より、(3)スラグ層上における石炭粒子の反応性は、反応雰囲気の差異によって異なり、これは粒子内の灰生成の形態に起因する。また、(4)スラグ層の存在によって石炭の反応速度は抑制される。 今後の計画として、石炭の着火性については、単一粒子的な着火挙動を実用燃焼法である連続燃焼の場合の着火挙動と関連づけて考察する。灰分の影響については、雰囲気の差異による灰生成過程の変化がどのような機構によって支配されているかについて、石炭内での灰分の分散度、単粒内灰粒子同士の合体挙動、溶融スラグの浸透挙動、灰組成の化学変化などの因子について詳細な検討を行う。
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