研究概要 |
本研究は管群の流力弾性振動の解析に必要な流体力係数を解析的に求めるための数学モデルを確立することを目的としている.本年度は1列管群を剛に支持した剛性モデルによって管壁まわりの圧力分布の測定を行った.次に弾性的に支持した弾性モデルによって安定限界流速を計算した.これより,次のことが明らかになった. (1)1列管群の実験装置を用いて,管と管の間の流路壁面に沿って圧力分布を測定した.最小圧力は最小すきまの位置で発生するが,はく離位置は最小すきまより10〜15度下流側にある.管群間の流路にすきま流れの式を適用して,圧力分布を解析的に求めて実験と比較し結果,管前面のよどみ効果を考慮すると,実験値に合うことが分かった. (2)管を弾性支持した場合を模擬して,流体力係数を計算し,1列管群の流力弾性振動の安定解析を行い,安定限界線図を作った.これより,安定限界流速が質量減衰パラメータの1/2乗に比例する結果が得られ,本研究の流力弾性振動の数学モデルの妥当性が確認された. (3)特定の流速範囲で実験装置から激しい共鳴音が発生した.圧力のモードを測定したところ,従来言われていた流れ直角方向の共鳴音ではなく,ダクト内主流方向の気柱共鳴音であることが分かった.
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