実験水槽を長さ500mm、高さ600mm、幅50mmとし、水深を300mmとして、スロッシング水槽の質量を低減させ、振動台で精度よい加振が出来るようにしたこと及び水ジェット吹き出し管路を左右で対称とし、水ジェットの吹き出しタイミングの精度をよくした改良を実施した。次に水ジェット吹き出し角を0度(垂直)、30度、60度、90度(水平)に設定し、1回の水ジェット吹き出し量を50cc(=スロッシング水量×1/150)として、水ジェット吹き出し周波数を1Hzから1.5Hzまで0.05Hz毎に変化させ、スロッシングの振動応答特性を明らかにしたところ、水ジェットの周期的吹き出しは、スロッシング1次モード振動を十分に励振することが明らかになった。またこの特性に対する水ジェット吹き出し角の影響は小さいことが明示された。これよりスロッシング水をポンプで吸引し、加圧し電磁弁の開閉をパソコンで制御することで、水ジェットをスロッシング水槽の底面から周期的に吹き出すことは、スロッシング振動を制御するためのアクチュエータとして充分に機能することが示された。 次に、スロッシング水槽を1次元振動台上に置き、その1次固有振動数で正弦波加振することで、スロッシングを共振状態の大振幅振動にまで成長させ、水ジェットを水槽底面の左右端より交互に吹き出し、スロッシング振動の制御特性を明らかにした。その結果、水ジェットの吹き出しのタイミングをスロッシング振動位相に対して適正に選択すると、スロッシング振動は十分に制御されること、この制振特性は水ジェット水吹き出し角にあまり依存しないことを実験的に明らかにした。 最後に、水ジェットの周期的吹き出しによるスロッシングの制御時の水流動パターンの可視化とその解析の実験を目下実施中である
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