研究課題/領域番号 |
07455107
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研究種目 |
一般研究(B)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
溝口 博 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助教授 (00262113)
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研究分担者 |
宮崎 英樹 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助手 (10262114)
石井 哲夫 東京女子医科大学, 耳鼻咽喉科, 教授 (30082126)
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キーワード | 行動理解 / 行動表現 / 行動主体 / 行動容体 / 時間 / 分節化 |
研究概要 |
本研究の目的派、時間の流れにそった行動を表記する手法として、音楽のスコア(総譜)に相当する「行動総譜」という計算機表現を確立することにある。患者支援ロボットを例題にとり、ロボットがそれまでに得られた行動総譜に基づいて患者の状態変化をより頑健に認識したり、患者の経過をふまえた支援行動の導出が可能となるように、行動総譜における行動のデータ構造とそれに対する操作演算子を定義することを目標とする。平成7年度は、具体的に行動総譜のプロトタイプ実現と自動生成とを目指して研究を行い、以下の成果を得た。 眠っている患者の寝返りや体の向きの検出、呼吸状態の視覚情報を用いた検知と解釈を題材に研究を進め、行動総譜プロトタイプの実現と適用に成功した。この結果として、この種の処理では時間スケールの異なるデータを混在させ階層化して取り扱う必要があることが判った。そしてそのために、処理時間の相違を吸収でき、階層間で矛盾が生じないような仕組みが必要であることが明らかとなった。寝返り検出や呼吸状態検出以外への行動総譜の一般的拡張が今後の課題である。 また、目覚めている時の患者の行動の取り扱いについても併せて研究を行った。たとえば、患者がベッドに寝たままではなく起き上がって活動しうる場合、行動主体である患者は大きく変形したり広い範囲で動いたりして頑健な追跡が困難である。そこでこれに対処するために、患者が触れたり使ったりする物に注目することで、患者の行動を分節化し理解する手法を考案し、この手法が有効であることが判った。 さらに、行動総譜処理に適した視覚処理装置のアーキテクチャの検討も並行して進めた。この結果、観測対象である行動主体の動きに伴い、複数カメラ群に対して追跡プロセスがマイグレートするという新概念が得られた。
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