研究概要 |
現有のTS-3装置および計測系の改良を行ってきた.具体的には平成7年度前半まではアスペクト比が1.5以下のトカマック生成法を検証してその巨視的安定性について研究を行い,特に安定に平衡が維持される条件をみいだした.具体的にはzθ放電を用いて単一のトカマックの生成を試みて、OHコイルに頼ることのないトカマック初期生成法の確立を行った.生成されたトカマックのパラメータは大半径=15cm程度,小半径=13cm程度,最大磁界値約0.5T,プラズマ密度約10^<14>cm^3,イオン温度100eV程度,持続時間0.1msec程度である.TS-3装置には2対のポロイダル平衡コイルを有しているので,それらの電流を制御することによって最適な初期平衡配位を探しだした.これと並行して以下の整備と前駆的実験をおこなった. (1)光学的プラズマ計測システムの整備:本研究の目的であるプラズマの加熱効果を検証するには,プローブ挿入を必要としない光学的な温度と密度の計測システムが必要である.その目的のためにフレーミングカメラを用いたTVトムソン散乱計測システム,および分光計測システムの整備に取り掛かった.現在,電子とイオン温度の予備的計測に成功している. (2)コンパクトトーラス加速入射装置の開発:ターゲットとなる主トカマックに対して異極性となるコンパクトトーラスを入射する装置として,バイアス磁界反転型2段加速方式の同軸プラズマ銃の開発研究を開始して,予備的プラズマ生成に成功した.目下追加速法の研究を行っている. (3)(同極性)トカマック合体の実験研究:トカマック軸対称合体実験については,参照実験のために同極性トカマック同士の合体実験を行い,その特性,特に磁気緩和検証と磁束変換効果についてスフェロマック軸対称合体との比較を行い,磁気緩和の違いを見いだした.
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