スーパーゲイン小型超伝導アンテナに関する研究

1997 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 07455128
• 研究機関: 山形大学
• 研究代表者: 大嶋 重利 山形大学, 工学部, 教授 (40124557)
• 研究分担者: 楠 正暢 山形大学, 工学部, 助手 (20282238) ; 平田 拓 山形大学, 工学部, 助教授 (60250958)
• キーワード: 超伝導アンテナ / パッチアンテナ / YBCO薄膜 / モーメント法 / 酸化物超伝導薄膜 / CeO2バッファ層

研究概要

スーパーゲイン小型超伝導アンテナに関する研究で平成9年度は以下のような成果を上げた。
(1)超伝導アンテナ用酸化物伝導薄膜の合成
スーパーゲインにするためには、アレーアンテナが必要である。その為には、比較的面積の広い薄膜が必要となる。本研究では、誘導コイル結合型マグネロトンスパッタリング法により、1〜2インチ角程度の良質な薄膜を形成する条件を確立した。
(2)スーパーゲインアンテナの実現
スーパーゲインアンテナを実現するためには、アンテナのアレイ化が不可欠である。本研究では、パッチアンテナに注目し、11.7GHzで共振するアレイアンテナの設計及び試作を検討した。その結果、2素子アレイアンテナにおいて、1素子アンテナより利得の向上及び指向性の鋭さが観測された。
(3)冷却システムの検討
アンテナを実用化するためには、小型冷凍機による冷却システムを構築する必要がある。GM型冷凍機を用いた冷却システムを検討し、超伝導アンテナの動作試験を行なった。その結果、パッチアンテナでは十分な利得が得られることを明らかにした。

研究成果

• [文献書誌] S.Ohshima, K.Ehara, T.Ogasawara. M.Kusunoki: "High-Temperature Superconducting Microwave Applications, Antenna and Filter" Proc. HTSED Workshop. 77-79 (1997)
• [文献書誌] 楠正暢, 大須賀彰, 江畑克史, 大嶋重利, 増本博, 平井敏雄: "誘導コイル結合型スッパッタリングによるYBa2Cu3Oy薄膜の作製" 日本金属学会誌. 61・9. 951-955 (1997)
• [文献書誌] S.Ohshima, T.Ogasawara. K.Ehara: "Design and Fabrication of YBCO Patch Antennas" IEEE Trans. on Applied Superconductivity. 7・2. 3060-3063 (1997)
• [文献書誌] S.Ohshima, K.Ehara, M.Kusunoki: "The Gain and Directivity of a Superconducting Patch Antenna" Proc. 6th International Superconducting Electronics Conference. 287-289 (1997)
• [文献書誌] S. Ohshima: "The Design and Fabrication of Superconductivity Patch Antenna" Proc. Asia-pacific Microwave Conference. 413-416 (1996)
• [文献書誌] T.Ogasawara, K.Ehara, M.Kkusunoki, S.Ohshima: "Design and Fabrication of Metal and Superconducting Meander-Line Antennas" Proc. 9th International Sympossium on Superconductivity. 1269-1272 (1996)
• [文献書誌] Y.Nakamura, A.Ohsuka, S.Ohshima, K.Okumaya: "Fabrication and Characterization of Heteroepitaxial YBCO/CeO2/Al2O3Films" Proc. 8th International Sympossium on Superconductivity. 992-989 (1995)
• [文献書誌] S.Ohshima, T.Fukunaga, T.Ogasawara, K.Okumaya, K,Imai, K.Sawaya: "Design and Fabrication of Metal and Superconducting Antennas" Proc. 8th International Sympossium on Superconductivity. 1175-1178 (1995)