研究課題/領域番号 |
07455132
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
電子・電気材料工学
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
浅田 雅洋 東京工業大学, 工学部, 助教授 (30167887)
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研究分担者 |
渡辺 正裕 東京工業大学, 量子エレクトロニクス研究センター, 助教授 (00251637)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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キーワード | 金属 / 絶縁体超格子 / コバルトシリサイド / 弗化カルシウム / イオン化ビーム結晶成長 / 量子効果デバイス / ホットエレクトロンの干渉 / 量子干渉トランジスタ |
研究概要 |
本研究は、半導体ヘテロ接合では見られない新しい量子サイズ効果を、金属-絶縁体多層ヘテロ接合系の絶縁体界面において発現させ、これを原理とする機能化電子デバイスの実現を目的とし、以下の成果を得た。 シリコン基板上に金属/絶縁体(Cosi_2/CaF_2)原子層オーダーの極薄膜多層構造を、絶縁体に対してイオン化ビーム低温結晶成長法、シリサイド金属に対してシリコンとコバルトの二段階成長法を用いて形成した。得られた構造に対して、絶縁体伝導帯に注入したホットエレクトロンの金属/絶縁体界面での干渉現象を観測するため、共鳴トンネルエミッタと金属-絶縁体-金属の垂直入射型電子波干渉計の構造を有するトランジスタを試作し、液体窒素温度においてホットエレクトロンの量子干渉によると考えられる多重微分負性抵抗の観測に成功した。得られた特性は、電圧間隔などが理論予測とよく一致したほか、素子に寄生的に存在するリ-ク電流と抵抗分のために、負性抵抗のピークバレー比が極めて小さくなっていることが等価回路シミュレーションにより明らかとなった。寄生抵抗分の影響を除去して干渉特性を明瞭にするために、素子の平面寸法を電子ビームリソグラフィを用いて微細化することを提案し、その作製プロセスを確立した。このプロセスによって得られた金属/絶縁体量子干渉トランジスタの電流電圧特性を測定し、室温において干渉による多重微分負性抵抗を観測した。この特性から、寄生抵抗分の影響が素子の極微細化によって抑圧されていることが結論された。さらに、素子特性劣化のもう一つの原因であるリ-ク電流について、素子特性の平面寸法依存性から、その原因を列挙し、それらと作製プロセスとの関連を明らかにした。
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