研究課題/領域番号 |
07455147
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
岡部 洋一 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (50011169)
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研究分担者 |
北川 学 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助手 (30110711)
柴田 克成 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助手 (10260522)
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キーワード | 収束イオンビーム / ジョセフソン素子 / 酸化物高温超伝導体 |
研究概要 |
収束イオンビーム(FIB)によってダメ-ジを与えられた基板上に異常成長するYBCOを接合部分に用いたYBCO共プレーナ型ジョセフソン接合の作製においては、磁場特性を用いて接合部分の均一性を評価した。超伝導薄膜の膜厚を300nmから200nmに減少させることで、磁場特性は接合部分の均一性を示す目安となるフラウンフォーファー回析パターンに類似した磁場特性を示した。また、温度が素子の臨界温度に近づくにつれ、磁場による変調度が増加し、接合部分の均一性が高まる傾向が示された。その結果、膜厚が300nm以上の場合には接合上部で超伝導結合が強くなるため、ジョセフソン接合としての応答が支配的でなくなると考えられ、更に薄膜の膜厚が200nm程度であっても、接合中に超伝導性の比較的強い部分が混在しているため、4.2K付近では明確なフラウンフォーファーパターンが得られず、温度が上昇するにしたがい接合全体が弱結合となり、より均一な伝導状態が得られていると考えられる。 もう一つのタイプのYBCOの薄膜にFIBを局所的に照射し、弱結合を作るジョセフソン素子については、使用しているFIB装置のGaイオンの打ち込み距離が100nm程度であることから、用いるYBCO薄膜はより薄くさらに100nm程度でも十分な超伝導性を持った高品質の薄膜が必要である。そこで、レーザーアブレーション法を用いてこれまでスパッタリング装置よりも臨界温度が15K程度高い薄膜を作製した。この薄膜を用いて幅15μmの超伝導ブリッジに照射量を大きく変化させながらイオンを打ち込んで接合を作製したところ、1×10^<17>ions/cm^2程度の照射量において臨界電流値が大きく減少し、超伝導性が急激に弱まったことを示している。このときの臨界電流値は4.2Kにおいて2mAであった。よって、イオンを照射することで弱結合を作製できることが分かった。
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