研究分担者 |
遠藤 靖典 早稲田大学, 理工学部, 助手 (10267396)
山村 清隆 群馬大学, 工学部, 助教授 (30182603)
大石 進一 早稲田大学, 理工学部, 教授 (20139512)
松本 隆 早稲田大学, 理工学部, 教授 (80063767)
川瀬 武彦 早稲田大学, 理工学部, 教授 (60063690)
|
研究概要 |
本年度の研究は,基礎理論の確立と計算機援用解析ソフトウェアの構成要素の作成を目標として進められ,研究計画通りの進展が見られた. 1.非線形解析の基礎となる不動点定理について,系の不確定性をモデル化したファジィ写像の不動点定理を示した. 2.非線形常微分方程式の境界値問題や一般的な非線形作用素方程式のの解の数値的な存在検証に適した理論を構築した.これは,Newton法の収束定理を計算機により自動的に検証する方法である. 3.C^<++>言語および有利数演算を実行できるオブジェクト指向言語をもとに,区間演算,自動微分,関数展開などに付随する様々なオブジェクトを柔軟に扱いうるオブジェクト指向ソフトウェアのプロトタイプを3種類構築した.このソフトウェアにおいて,非線形計算機解析用のソフトウェアライブラリの作成を進めた. 4.分岐現象の数値的検証が可能となるような方程式系を拡張することによって,特異点を解消するための理論の構築を進めた.また,構築した理論を,サドル-ノード分岐,Hppf分岐,対称性破壊分岐などに適用し,実際にこれらの分岐現象の存在が数値的に検証可能なことを示した. 5.ホモクリニック軌道,ヘテロクリニック軌道の存在を数値的に検証するための一般理論を展開し,実際にホモクリニック分岐の存在検証を,適当な例に対して行った. 6.有限次元方程式の有界領域のすべての解を数値的に存在検証するためのアルゴリズムを作成し,適当な条件下でその有限時間停止性を示した. 7.VLSI回路の方程式などセパラブル性をもつ方程式に対し,上記のアルゴリズムを高速化するための手法を開発した.これは,解の存在しない領域を線形計画法を有効に援用して,高速に見いだす方法に基づいている.
|