研究概要 |
本研究の目的は,微細加工技術や医学的微細手術などを行うのに必要不可欠と思われる極めて小さな遠隔操作型マニピュレータを製作すること.次に,そのような作業を行う際に,人間にとって最も作業し易い空間ゲインと時間ゲインを決めることです. 大きく分けると二つのテーマからなっており,まず始めに,微小な対象物の把持を可能とする遠隔操作型マニピュレータを製作し実験を行い,その操作性について検討した.その結果,・スケーリング効果による対象物のピンセット付着現象 ・対象物の姿勢補正の必要性 ・アームの速度制御とテーブルの初期値の設定などが問題となったが,適切な振幅および周波数を選定し,対象物を把持するピンセットを微小に振動させる方法とテーブルの制御に用いているモデルの改良をすることにより解決することができた. 次に,適切な位置と力の双方向制御を行うための制御の流れと構造について解析した.対象物が一次のモデルと仮定したアルゴリズムを用いて検証し,微小な対象物の力覚感知が向上することを確認し,空間ゲインを決定した.すなわち,力と位置の適切な変換ルールを導入することにより,マニピュレータの操作性の向上と双方向制御の有効性が検証でき,スケールの異なる空間を実時間で結合した. 今後は,時間的歪みを解消するために時間軸の変換を取り入れた高度な制御アルゴリズムを構築するとともに,さらに実用的なトータルシステムの確立を目指して研究を行う.
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