研究課題/領域番号 |
07455177
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研究機関 | 中部大学 |
研究代表者 |
安林 幹翁 中部大学, 工学部, 講師 (10102782)
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研究分担者 |
伊藤 正美 理化学研究所, バイオ・ミメティックコントロール研究センター, センター長 (30023021)
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キーワード | 脚式歩行ロボット / 歩行パターン / 歩行速度 / 消費エネルギー / 自律分散制御 / 分岐理論 / 中枢パターン発生器 / リミットサイクル |
研究概要 |
動物は、如何なる足数を持つものでも一般的に歩行周期に対する接地時間比(デューティ比)によって最適な歩行パターンを形成・選択している。そのことは既にHoytらの馬の単位距離当たりの酸素消費量を調べた研究などで明らかになっている。そこで本研究では六足歩行ロボットの歩行時の消費エネルギーに注目し、動物において見られる特性がロボットにも成立するかどうかを実験的に検討を行った。 まず、本研究における供試機としてISロボティクス社製のGenghisIIを用い、これに六足動物の代表である昆虫に多く見られるWave、Tripodという2種類の歩行パターンで歩行を行わせた。そして、これらの歩行パターンにおいて歩行速度を変化させるパラメータ(デューティ比及び歩幅)を変化させ、それぞれの歩行速度での歩行時における単位距離当たりの平均消費エネルギーを求めた。その結果、Waveでは、単位距離当たりの平均消費エネルギーが最小となるよな各歩幅に対するデューティ比、並びに各デューティ比に対する歩幅が存在し、歩幅が小さくなるに従ってデューティ比も小さくするほうがよいことが分かった。一方Tripodでは、デューティ比に拘らず歩幅が最大の時、つまり歩行速度が大きいほど単位距離当たりの平均消費エネルギーが最小となることが分かった。 これらの結果を、上述の馬に関する研究で各歩行パターンにおける酸素消費量が少なくなるような最適な歩行速度が存在するという結果と比べると、Waveの場合は同様な特性が現れるが、Tripodの場合は歩行速度が大きいほど平均消費エネルギーが少なくなるのみであった。
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