研究課題/領域番号 |
07455186
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
中井 博 大阪市立大学, 工学部, 教授 (00047052)
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研究分担者 |
中西 克佳 大阪市立大学, 工学部, 助手 (70227833)
北田 俊行 大阪市立大学, 工学部, 助教授 (30029334)
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キーワード | 合成柱 / 橋脚 / 部分充填 / 耐荷力 / 変形性能 / 静的繰返し変位載荷実験 / 漸増繰返し変位載荷実験 / ハイブリッド実験 |
研究概要 |
本研究では、鋼製橋脚柱、および部分合成橋脚柱の耐震性について定量的なデータを得ることを目的とした調査を行ってきた。昨年度は、幅厚比パラメーターがそれぞれR=0.35、およびR=0.7の鋼製柱、および部分合成柱計6体の実験供試体を製作した。そのうち、幅厚比パラメーターR=0.7の鋼製柱、および部分合成柱の計3体の実験供試体に対して、静的繰返し変位載荷実験を実施した。本年度は、断面が昨年度の製作した6体と同じ大きさで、幅厚比パラメーターR=0.7の鋼製柱、および部分合成柱の実験供試体を計6体製作して、昨年度製作した幅厚比パラメーターR=0.35の鋼製柱、および部分合成柱の計3体と併せて合成9体に対し、引続き、(1)静的繰返し変位載荷実験、(2)ハイブリッド実験、および(3)静的繰返し変位載荷実験の3種類の実験を実施し、それらの結果を整理・分析してきた。その主な結論をまとめると、以下のとおりである。 1)柱基部のみにコンクリートを部分的に充填した合成橋脚柱が局部座屈した場合、本来の合成柱としての効果は、期待できないことがわかった。 2)漸増繰返し変位のように多くの繰返し変位を受ける合成橋脚柱の場合には、内部充填コンクリートが外側鋼板の座屈を防止する機能を期待できない場合もありうることがわかった。 3)コンクリート充填形式の合成橋脚柱の断面には、縦補剛材を設けるのが望ましい。なぜなら、断面内部のコンクリートが縦補剛材の横倒れ座屈を防止し、断面が著しく変位しても柱が破壊に至るまで、縦補剛材断面は、柱断面の一部として有効に機能することがわかったためである。 4)神戸海洋気象台で記録された兵庫県南部地震によって、幅厚比パラメーターR=0.7の鋼製柱は、著しい損傷を受ける。しかし、それぞれ幅厚比バラメーターがR=0.35、およびR=0.7の鋼製柱、および部分合成は、柱としての機能を失うような著しい損傷を受けないことが明らかにされた。
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