研究課題/領域番号 |
07455194
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研究機関 | 愛知工業大学 |
研究代表者 |
大根 義男 愛知工業大学, 工学部, 教授 (00064931)
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研究分担者 |
奥村 哲夫 愛知工業大学, 工学部, 助教授 (70078913)
建部 英博 愛知工業大学, 工学部, 教授 (10064940)
成田 国朝 愛知工業大学, 工学部, 教授 (90064956)
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キーワード | フィルダム / 水理的破壊 / 浸透圧 / コラ-プス / 動水勾配 / 有効鉛直応力 / 遠心模型実験 / FEM解析 |
研究概要 |
コア材料の浸透破壊実験は、昨年度の研究で得られた破壊時動水勾配i_f〜有効鉛直応力σv'関係の拘束範囲により一般性を持たせる意味で、σv'を更に大きくして行った。結果として、σv'≒1kgf/cm^2においても昨年度の結果と同様の関係が認められた。 コア部の変形特性に関する遠心模型実験では、コア幅を8.0,6.5,5.0cmと変化させ、コア高30cm、遠心加速度を50g一定として行った。この結果、(1)せん断ひずみの大きく現れる領域はいずれの模型においても、コア上部およびトレンチ付近である。(2)本研究で提案した水理的破壊に対する安全率の低い領域はトレンチ部周辺に集中し、コア幅が狭いほど顕著に現れる。 湛水模型の浸透破壊遠心模型実験では、中心コア型ロックフィルダムを想定し、コア部にシルト質土、ロック部に粗砂を用いて、高さ27cmの模型を作製し、遠心加速度を20gおよび30gとして行った。この結果、(1)コア部の破壊は、浸水飽和に伴う沈下によって生じる応力の再分配(拘束応力の減少)に起因する。(2)破壊後のコア内部には浸透圧による亀裂やパイピングの発生した形跡が実験後の観察によって認められ、実ダムの破壊形状と対応する。 初期湛水時の応力・変形挙動に関するFEM解析では、コア材料の浸透破壊実験結果を取り入れて、Tetonダムを対称に挙動解析を行った。この結果、(1)湛水に伴うコラ-プスの影響を簡便的に変形係数の低下に置き換えることで、不同沈下やアーチ作用の発生状況を再現できる。(2)水理的破壊に対する安全率の低い領域は、縦断面では基礎岩盤の勾配急変部周辺、横断面ではコアトレンチ底面に集中して現れ、実ダムの崩壊状況とよく対応する、等の知見が得られた。
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