研究課題/領域番号 |
07455209
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研究種目 |
一般研究(B)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
寺島 泰 京都大学, 工学部, 教授 (50019717)
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研究分担者 |
清水 芳久 京都大学, 工学部, 講師 (20226260)
金谷 健 滋賀県立大学, 環境科学部, 講師 (60150158)
尾崎 博明 京都大学, 工学部, 助教授 (40135520)
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キーワード | 家庭廃棄物 / 減量化 / 分別収集 / 有料化 / 輸送システム |
研究概要 |
本研究では家庭廃棄物の減量化及び資源化の合理的推進の基礎として、本年度においては家庭廃棄物の発生抑制施策効果の解明と、合理的分別収集・輸送システムの構築とを研究目的とした。 家庭廃棄物の発生抑制施策のひとつとしてごみ処理の有料化を取りあげ、守山市を例として有料化によるごみの減量化の主要な要因としてしばしば挙げられる自家処理との関連について考察し、次のような結果を得た。 1)守山市における自家焼却量はごみ全体の流れとしてかなりの割合を占めており、自家焼却によるごみの減量効果が認められた。また、自家焼却では紙が最も多く焼却されており、プラスチックなども焼却されていた。 2)自家焼却においてはその排煙や灰は全く処理されずに環境中に放出されていることになるが、これらの環境負荷物質の放出について塩素を例として環境への排出量を検討した。アンケート調査、ごみの組成分析、対象ごみ中の含有塩素原単位の決定などから塩素化合物放出量の推定を試みた結果、守山市においては年間の自家焼却による塩素化合物放出量は、ひとつのごみ焼却施設に相当する量が放出されていることが考えられ、その環境への負荷が懸念された。 家庭廃棄物の合理的分別収集・輸送システムの構築に関しては、その基礎として分別資源ごみの集積・収集の実態とこれに影響を及ぼす要因を明らかにするため、収集作業および輸送作業をビデオ撮影しこれによりその要因を把握することを試みた。その結果、収集作業においてはその作業時間とごみ量の関係は 1)空き缶の積み込み作業において、収集車内のごみ積載量が増加するに従って、単位ごみ体積当たりにかかる積み込み時間が大きくなることがわかった。 2)空きビンの積み込み作業に関しては単位ごみ体積当たりにかかる積み込み時間は今回の調査においては2つのグループに分類できたが、それらはステーションにおけるごみの集積状況によるものであることがわかった。 輸送作業に関しては、収集作業全般にたいして積み込み自体よりも輸送にかかる時間の割合が高いことが明らかになった。また、処理場と収集区域間の輸送に関しては信号の数や踏切の数などがその時間に影響を及ぼしていた。また、収集区域内の輸送に関してはその通過する道路の幅がその移動速度に影響を及ぼしていることが明らかとなった。
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