研究概要 |
本粘度は前年度に引き続き操作条件(好気ゾーン比、BOD容積負荷率およびMLSS濃度)を種々変化させて処理効果実験を行い、これらと処理効率との関係把握を行った。その結果、好気ゾーン比を0.22〜0.28とすることで硝化反応、脱窒反応ともに良好に行われることを示した。また、適切なBOD容積負荷率は本処理法の設計条件である反応器径とドラフトチューブ径の比(D_1/D_0)により変化し、反応器水深が4mである場合にはD_1/D_0を0.19とすることにより0.・2〜0.4(kgBOD/m3・day)と広範囲の条件下で70%以上という高い窒素除去率を達成しうることを明らかにした。MLSS濃度は3,000〜4,000mg/Lに維持することにより,上記のBOD容積負荷率の条件下では硝化菌の増殖に必要なSRTを確保でき良好に硝化反応を進行させることが可能であることを明らかにした。 本年度はD_1/D_0が液循環流量および総括酸素移動容量係数(K_La)に及ぼす影響に関する検討も行い、D_1/D_0が増加するにつれて循環時間が短くなることを明らかにした。また、発砲面積率(散気装置総断面積/反応器断面積)が一定であればD_1/D_0はK_Iaに影響をほとんど及ぼさないころも明らかにした。以上より、設計条件としてのD_1/D_0は0.19程度とすることが適切であることを明らかにした。 また、上記の実験結果および各種環境条件が有機物除去、硝化および脱窒の各速度に与える影響を従来の動力学モデルに組み込み,D_1/D_0を変化させた場合の処理結果の予測を可能とした。さらに、任意の形状の反応器における処理結果を予測するための基礎的知見を得た。
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