研究課題/領域番号 |
07455210
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
土木環境システム
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
津野 洋 京都大学, 工学部, 教授 (40026315)
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研究分担者 |
山田 春美 京都大学, 工学部, 助手 (40089123)
宮田 純 京都大学, 工学研究科, 助手 (80273481)
西村 文武 京都大学, 工学研究科, 助手 (60283636)
小野 芳朗 京都大学, 工学部, 講師 (50152541)
宗宮 功 京都大学, 工学研究科, 教授 (60025947)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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キーワード | 二重管型反応器 / ドラフトチューブ / 硝化反応 / 脱窒反応 / 窒素除去 / 好気ゾーン比 / 動力学モデル |
研究概要 |
本研究では、従来の窒素除去プロセスの欠点を改善しうる反応器として、一槽で硝化と脱窒を完了させる連続単槽式反応器の開発を試みた。すなわち、一槽の中で硝化・脱窒を行わしめることの可能な反応器として二重管型反応器を下水処理に適用し、その操作・設計因子の検討を行った。また、本研究では本研究室で単離した好気性脱窒菌を活用した単一槽硝化・脱窒処理法の可能性についても検討した。 初めに一槽の中に好気性条件と無酸素条件の双方を創出するために重要となる液循環流速およびK_Laに関する予測式を実験的かつ理論的に構築した。さらにその結果に基づき実下水の連続処理実験を行った結果、本反応器は適切な条件で運転することにより70〜75%のTN除去率を得ることが可能であることを実証した。また、80%以上の硝化率および脱窒率を得るには好気ゾーン比および無酸素ゾーン比の双方を0.35以上に維持する必要があることを明らかにした。流入水のC/N比に関しては約3程度と高く維持する必要があることを明らかにし、流入下水の直接処理が効果的であることが実証された。また、ドラフトチューブ径と反応器径の比(D_i/D_o)は窒素除去に影響を及ぼし、有効水深4mの反応器を用いた実験ではD_i/D_o0.19のみで72%という高いTN除去率を得ることができた。反応器水深に関しては、その増加により、好気ゾーン比および無酸素ゾーン比双方の必要条件の確保が容易になることをDO減少率に基づく解析より明らかにした。また、数理モデルを提示し、これを用いて各操作・設計因子が窒素除去に及ぼす影響に関してさらに検討を加えた。 好気性脱窒菌を活用した単一槽硝化・脱窒処理法に関しては、まずその基礎として混合菌体中から好気性脱窒菌を定量する手法を開発した。また、数理モデルを提示し、これを用いて検討を行った結果BOD-MLSS負荷が高くなるほど混合菌体中の好気性脱窒菌の割合が増加することが明らかになった。
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