本研究の結論および成果の概要を以下に示す。 (1)圧縮曲げせん断を受ける鉄筋コンクリート柱の端部コンクリートの圧縮特性は、平面保持の仮定とコンクリートの一軸圧縮特性から説明することは困難である。 (2)圧縮曲げを受ける鉄筋コンクリート柱の危険断面のコンクリートの圧縮特性は、従来説で説明しうる。 (3)圧縮曲げせん断を受ける鉄筋コンクリート柱の端部コンクリートの見かけの圧縮強度、すなわち、コンクリートにストレスブロックを仮定したときの応力値は、従来考えられていた値の1.5倍程度を考えなければならない場合がある。 (4)圧縮曲げせん断を受ける鉄筋コンクリート柱の端部危険断面の最大曲げ圧縮耐力を累加強度の概念を用いて求めるための、コンクリートのモーメント・軸力相関曲線(最大強度用Mc-Nc相関曲線)を作成した。最大曲げ圧縮耐力は、柱のせん断設計における設計荷重を求める時に用いられる。 (5)曲げに対する設計において、柱端部に保証しうる曲げ圧縮耐力を求めるための、コンクリートのモーメント・軸力相関曲線(信頼強度用Mc-Nc相関曲線)も作成した。
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