研究概要 |
都市地震防災の基礎として,どの場所でどのような種類の地震危険度が存在するのかを定量的に把握する必要があることから、GISを利用した地震ハザード・リスクマッピングシステムを開発している.GISの利用にはデータベースが必要となるが、本システムでは,新たなデータベース作成の労力を避けるため、基本的には既存のデータベース(国土数値情報および地域メッシュ統計)を利用している. (1)地震ハザードマッピングシステムの開発 国土数値情報に基づく地震時斜面崩壊危険度の予測手法を開発した.これと,既に開発した震度分布,液状化危険度分布の予測手法と合わせて,地震ハザードマッピングシステムをワークステーション上に構築した.その結果、想定地震に対して、主な3つの地震ハザードおよびこれらを総合化したハザードを即座に地図化して表現することが可能となった. (2)各リスク要素の分布の推定 地震の危険にさらされる各リスク要素の分布については、地域メッシュ統計データから,昼間人口,夜間人口,通勤人口,高齢者人口,幼齡者人口,病院数などの分布を取り出し、図化した.住宅数,事務所ビル数については、メッシュデータには含まれていないため、川崎市の地域数値データを用いて、各建物種別ごとに世帯数と住宅数の相関や各種事業所数と事務所ビル数の相関を求め、これらの相関関係を用いて、メッシュデータから間接的にその分布を推定する方法を提案した.
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