研究課題/領域番号 |
07455223
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中島 正愛 京都大学, 防災研究所, 助教授 (00207771)
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研究分担者 |
岩井 哲 京都大学, 防災研究所, 助手 (60184850)
野中 泰二郎 京都大学, 防災研究所, 教授 (60027224)
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キーワード | 信頼性設計 / 鉄骨骨組 / 要求塑性変形 / ばらつき / モンテカルロシミュレーション |
研究概要 |
耐震設計においては構造物の塑性変形が重要な役割を果たすこと、一方で構造物や部材の塑性変形が大きくばらつく量であることを考えるとき、「要求塑性変形と塑性変形能力のばらつきをも考慮した信頼性設計法の確立」が、耐震設計をより高度化させるための命題となる。本研究では、要求塑性変形のばらつきに着目し、建築鉄骨骨組を対象として、(1)「建築構造部材に要求される塑性変形とそのばらつきを組織的に求める手法を開発すること」、(2)「上記手順や数値解析を有機的に結び合わせることから、日本の建築構造設計で要求すべき塑性変形とそのばらつきの程度について、定量的な回答を与えること]を研究課題とした。平成7年度には確率極限解析法の基本的考え方を立案するに至った。最終年度である平成8年度では、この考え方をさらに進め、(1)シンプレックス法を不界定理に適用することによる尤度の高い崩壊機構の選択、(2)崩壊機構を参照した直接剛性法による塑性ヒンジ回転量の推定、(3)FOSM法の適用による塑性ヒンジ回転量の変動係数評価、と流れる解析手順を新たに構築することに成功した。この解析手順を用いた解析結果と前年度に実施した数値解析の結果から、全塑性モーメントのばらつきとして0.1の変動係数を与えたとき、終局耐力時の荷重がもつ変動係数は0.03程度、層間変形がもつ変動係数は0.1〜0.2程度、また各構造部材の塑性ヒンジがもつ変動係数は0.3〜0.7程度と、個々の部材レベルに対する変形量のばらつきは相当大きくなることを実証した。さらに、全塑性モーメント間に相関があるときには部材変形量のばらつきが大きくなること、また部材が有する塑性変形能力のばらつきをも勘案するなら、耐震設計において、塑性変形に対しては大きな安全率を付与しなければならないこと、などを所見として得た。
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