研究概要 |
高強度コンクリートに引きつづき高流動コンクリートの調合について検討をした。その結果,各種水セメント比,単位水量において,セメントやシリカヒューム等の微粉末が400Kg/m以上必要なことがわかった。ついで,高流動コンクリートのヤング係数および乾燥収縮ひずみを測定した。その結果,高強度および高流動コンクリートは富調合かつ低水セメント比であることにより,普通コンクリートとヤング係数および乾燥収縮ひずみの性状に差があることがわかった。これらのことから,従来のヤング係数推定式を修正し,骨材量を含んだ式を提案した。乾燥収縮ひずみ推定式については現在検討中である。これらの式を検討する過程で,低水セメント比のセメントペーストにおける,水セメント比と強度,ヤング係数および乾燥収縮ひずみの関係を明らかにした。 高強度コンクリートの乾燥過程中の強度変化を測定した。材齢3, 7, 28日から乾燥を開始し,その後の圧縮強度,曲げ強度および割裂強度を測定した。その結果,普通コンクリートとそれほど大差は見られなかった。現在,乾燥過程中に発生する乾燥収縮応力の観点から分析を試みている。 高強度コンクリートの乾燥収縮ひびわれ拘束実験を実施した。拘束方法は、JISの方式に倣った。まず,拘束部材のひずみ分布を測定することにより,コンクリートに発生する収縮応力の実測が可能であることを明らかにした。ついで,自由収縮のコンクリートの直接引っ張り強度の経時変化を測定し,拘束コンクリート中に発生する引っ張り応力と比較した。このことにより,乾燥収縮ひびわれ発生条件を分析する基礎データを得た。 乾燥収縮応力の計算システムを構築した。これは,乾燥過程中の強度変化,乾燥収縮応力によるひびわれの発生分析に有力な手段となる。
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