研究分担者 |
貫井 光男 日本工業大学, 工学部, 講師 (90208273)
小竿 真一郎 日本工業大学, 工学部, 講師 (00049727)
加村 隆志 日本工業大学, 工学部, 講師 (20214538)
宮坂 修吉 日本工業大学, 工学部, 教授 (40049672)
竹内 淳彦 日本工業大学, 工学部, 教授 (40049680)
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研究概要 |
平成8年度に実施した調査研究内容につき、構造・材料・計画・環境・工業地理学の各側面から列記し、実績報告とする。 1.構造は、本島中部地域北方に位置する石川市、具志川市、および北部地域の中心である名護市においてブロック造建物の分布調査、並びに構造図面調査を行った。結果より、当該地域におけるブロック造建物の分布状況および同建物の外観状態(ピロテイ、ル-フバルコニー等の形態)と構造的特徴(柱・梁寸法、ブロック帳壁の厚さと配筋状態、ブロック帳壁の取り付け状況等)を明らかにすることができた。 2.材料は、空洞ブロックの原材料となっているセメントと工事の際使用される鉄筋について、セメント工場(琉球セメント)と製鉄工場(拓南製鉄)の現地調査を中心として、当時、関連工事に携わった関係者各位(例えばD.E担当者)に聞き取り調査を行い、戦後の混乱期から現在に至るまでの、供給状況の変遷を明らかにした。 3.計画は、(1)専用住宅の他に、集合住宅や病院などにもピロテイを使用している。(2)RCの勾配屋根は、日射を防ぐことを目的とした他にデザインも考慮している。(3)ル-フバルコニーは、直射日光を防ぐ役割を果たしている。(4)水槽は、沖縄の建物形態に大きな影響を与えている。 4.環境は、本島中部に位置する具志川市の3棟を含む5棟の住宅と、比較として関東地方の住宅を対象として、秋期(中間期)の室内環境調査(真菌・ダニ,温湿度測定等)を実施した。結果として、各地域による外気侵入(自然換気)の機構に差があり、真菌濃度と種類に影響することが判明した。不快害虫であるダニについても同様な傾向を示した。 5.工業地理学班では、沖縄本島における空洞コンクリートブロック(以下CB)の需給関係について,CB生産企業,建設業者,DIT等流通業者を対象に聞き取り調査を行った。また,住宅建設についての地域的なシステムを明らかにするための予備調査と,調査票によるアンケート調査を行った。その結果,CB流通の具体的な構造,問題点及び市場動向があきらかになった。同時に,住宅建設における地域的なしくみ,構造等について知見を得た。 □共通事項 なお、平成8年度はブロック造建物の構造・計画・環境について、沖縄県庁と合同で沖縄県在住の設計関係者へのアンケート調査を実施した。
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