研究課題/領域番号 |
07455233
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研究種目 |
一般研究(B)
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研究機関 | 東北工業大学 |
研究代表者 |
佐賀 武司 東北工業大学, 工学部, 教授 (50085437)
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研究分担者 |
小関 公明 東北工業大学, 工学部, 助手 (30118343)
桂 久男 東北工業大学, 工学部, 教授 (30005219)
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キーワード | 市街地火災 / 火災気流 / 温度分布 / 市街地風 / 延焼遮断効果 / 地表面粗度 / 風洞実験 / 相似則 |
研究概要 |
平成7年度は当初の計画通り、次の1〜3項目について検討を行った。 1.地表面粗度と風速分布に関する風洞実験:本研究では、住宅地をモデル化した直方体の単純な形態の住宅が建つ(a)低層住宅地模型(縮尺1/200と1/140の2層)を用いて、後述の3項の燃焼実験の前提条件である風速分布の検討を行なった。また、建物の風速分布への影響をみるために、建物などの障害物がない(b)平坦地の場合の風速分布の測定を行ない比較検討した。実験結果は市街地模型上の風速の鉛直分布は指数法則に従い、指数はほぼα=1/4で市街地風に相似する分布となっていた。乱れ強さの鉛直分布は、上空への低下割合が若干大きくなるが、本実験の目的において許容できる分布となっている。(a)低層住宅地と(b)平坦地との風速分布の比較では、建物の風速分布への影響は建物高さの2倍の高さに及んでいることが知られた。 2.有風時の面熱源からの熱気流に関する理論的考察:本研究では理論的観点から、両熱源の風下温度分布に関する関係式の誘導を試みた。この関係式中には、誘導過程で定義した無次元温度Ψ、無次元風速Λ、とともにFγ数が含まれるが、主軸温度、主軸傾き角、並びに風下温度の鉛直分布の各式はこれらの無地元数によって表されることを明らかにした。 3.地表面粗度と火災気流の温度分布に関する風洞実験:本実験は前述の(a)低層住宅地と(b)平坦地の模型上に、火災家屋にみたてた正方形熱源(アルコール燃焼)を設置し、燃焼によって生じた熱気流について前述の関係式を実験的に検証した。その結果、誘導した関係式で実験がよく説明できるという知見を得た。次年度はこれらの実験に、低層住宅地に中層建物が建設された場合の実験を加えて、地表面粗度の温度分布への影響と延焼防止方法について検討をする。
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