研究課題/領域番号 |
07455245
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研究機関 | 東北工業大学 |
研究代表者 |
桂 久男 東北工業大学, 工学部, 教授 (30005219)
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研究分担者 |
小関 公明 東北工業大学, 工学部, 助手 (30118343)
佐賀 武司 東北工業大学, 工学部, 教授 (50085437)
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キーワード | 都市防災 / 地域防災計画 / 防災資源 / 防災施設 / 自主防災組織 / 防災活動 |
研究概要 |
本年度の研究実績を計画に沿って概括する。 (1)防災施策としての物的防災資源と居住者志向の整合性について:災害時の施設志向型は、巨視的には各都市でほぼ同様の傾向が確認された。すなわち、(a)障害者の避難場所や災害時の救護場所として医療施設を中心にとらえ、物質供給や避難生活場所などについてはそれぞれ異なった施設を志向する病院施設基盤型。(b)指定避難場所を防災施設全般の基盤ととらえる指定避難場所基盤型。(c)学校施設を防災施設の基盤にとらえる学校施設基盤型。(d)集会施設を基盤にとらえる集会施設基盤型の4つの類型に大別された。なお、施設複合志向型のように静岡市だけにみられる類型も認められた。これらの基盤施設への依存の程度は都市により多少異なるが、地域防災計画での位置づけと居住者志向に大きな齟齬はないと考えられた。 (2)人的防災資源としての依拠基盤について:災害時の地域住民が主体となる救助活動を例とした人的防災資源の依拠基盤としては、町内会などの組織的な対応や近隣関係、地区就業者などの活動に依拠基盤を求める傾向が確認された。 (3)依拠基盤と都市環境、個人属性などとの関係について:物的防災資源については、調査都市により施設への志向類型が小分類化される過程に異差が認められた。また、施設志向型と調査地区の関連性分析からは、施設の配置環境が施設志向に影響を及ぼしていることが推察された。個人属性との関係では、病院施設基盤型や学校施設基盤型などのように地域との関わりの希薄な階層が多い類型、指定避難場所基盤型のように比較的高齢な階層や居住歴が長く避難場所についての関心が高い階層が多い類型も認められた。 人的防災資源については、近隣や地域との関わりが比較的強い階層と弱い階層では依存する基盤が異なっていることが認められた。近隣や地域との交流が密な居住者は、町内会などの組織的な対応や近隣関係に依存しながら災害時の対応を志向する傾向がみられ、近隣や地域との関わりの少ない階層では、地区就業者や壮青年などの活動力を依拠基盤とする傾向が認められた。 (4)研究成果の資料化について:本研究で得られた知見を報告書としてまとめ地域防災計画策定にための資料として利用できるようにした。
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