研究課題/領域番号 |
07455247
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
佐藤 滋 早稲田大学, 理工学部, 教授 (60139516)
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研究分担者 |
中川 義英 早稲田大学, 理工学部, 教授 (70139517)
後藤 春彦 早稲田大学, 理工学部, 助教授 (70170462)
中川 武 早稲田大学, 理工学部, 教授 (30063770)
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キーワード | 城下町 / 都市形態 / 官庁街 / 都心 / 近代化 / 地方都市 / 都市改造 / 三島通庸 |
研究概要 |
近世城下町を基盤とする地方都市における明治・大正期の官庁街の建設と都市改造を研究するに当たり、本年度は、城下町基盤への官庁施設設置とそれが城下町の都心に与えた影響を分析した。分析方法は、官庁施設の設置当初から現在まで約30年おきに(1900、1930、1960、1995)4枚の1万分の1の地図を作成し、以下の3要素をおとした。尚、近代における官庁施設設置は、最初城郭跡の旧城等を仮庁舎として利用し、本庁舎が建つまでに2、3転庁舎の位置が変わったが、本研究では、はじめて本庁舎が置かれた場所に着目する。 (1)建築→官庁施設・教育施設・医療施設・文化施設・民間施設 (2)骨格→街路・都市計画街路 (3)自然環境→河川・堀・水路・山 その結果、官庁施設を都市改造の手段として積極的に用いた例が3都市に見られた。山形、宇都宮では、県令三島通庸のもと、寺社他であった城下域周縁部の街道の延長上等に新たな街路をひき、そのアイストップに県庁をおき、街路の両側に公共施設を設置して新たな都市景観を構築した。甲府では県令藤村紫郎により城郭の再開発が行われ、大手道沿いに県庁をはじめとした藤村式と呼ばれる建築様式の官庁施設などが整備された。 県庁設置後、次々と官庁施設が建設されたが、その設置には大きく以下の2つのパターンが見られた。 (1)城下町基盤をうまく生かし、城郭周辺部への官庁施設の装置 城郭周辺部は城下町の近代化において最も改造され、官庁施設の建設はその結果でもあった。城郭周辺に官庁施設が設置された都市は21都市あり、その設置パターンは6つ存在した。官庁施設は城郭の中でも既存の商業地区に近い場所に多く設置されたことが共通して言える。 ○城中心型(富山、前橋、大分、福島) ○大手門(広小路)周辺型(静岡、鳥取、福島、和歌山、佐賀、鹿児島、盛岡、福井) ○大手道沿い型(甲府) ○町家域方向集中型(金沢、松江、秋田、高知) ○街道挟み型(宇都宮、津、高松) (2)城下域周縁部に官庁施設を設置 城郭ではなく城下域の周縁部に官庁施設を設置する都市もあった。 ○城下域周縁部集中型(山形、熊本)○城下域周縁部分散型(松山、岡山) 今後はこれの関係を明らかにすることを研究課題としている。
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