Ti-(7〜13)at.%Al合金において1100Kで引張試験を行った。応力-ひずみ曲線が広範囲にわたって定常状態を示したので、クリープの構成方程式を用いて解析を行った。その結果、低Al濃度における固溶体強化からは予想されない高温強度の増加が確認された。試料を室温に冷却してX線回折を行ったところ、規則構造を示唆する回折強度が観察された。回折強度はAl濃度の増加とともに増加する傾向にあり、規則構造の出現と高温における異常強化に密接な関係があることが判明した。 しかし、この規則構造は室温で確認されたものであり、Ti-Al状態図が500℃以下では不確定であることを考慮すると、2相共存領域における構造を観察している可能性が高い。従って変形温度における構造を調べることが不可欠であり、TEMによる微細構造の観察と併せて平成8年度以降の研究で明らかにされるべきところである。
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