研究課題/領域番号 |
07455259
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
弘津 禎彦 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (70016525)
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研究分担者 |
卞 波 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (80283810)
大久保 忠勝 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (00242462)
中田 芳幸 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (40164214)
石黒 孝 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (10183162)
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キーワード | ナノ結晶軟磁性 / 磁性粒子 / 粒子構造 / 高分解能電子顕微鏡 / ナノビーム解析 |
研究概要 |
本研究はナノ結晶軟磁性に関する組織上の基本因子を整理し、その軟磁性発現機構解明に寄与する組織学的、結晶学的データを用意することを主眼に置いた研究である。種々のサイズに制御されたFe粒子をセラミックス非磁性膜にサンドイッチ状に閉じ込めて積層化し、 (1)磁性粒子構造 (2)粒子サイズ(原子クラスター規模からナノ結晶規模まで) (3)平均粒子間隔 (4)磁性粒子層間隔 などについて、主に高分解能電子顕微鏡、ナノビーム電子回折、EELS(電子線エネルギー損失分光)などにより調べ、これらをパラメーターとして軟磁気特性を実験的に評価、整理し、ナノ結晶軟磁性発現機構について考察することを目的としている。現在までに得られた成果は以下のとおりである。 [1]「試料高真空移送装置」の製作:超高真空中で電子ビーム蒸着法により作製したナノ粒子の構造の詳細を、高分解能電子顕微鏡観察、ナノビーム観察するには、作製試料を大気に晒すことなくそのまま電子顕微鏡内に搬入するのが望ましい。このため、本研究費補助金(平成7年度分)により電子顕微鏡用高真空トランスファーベッセル、トランスファーゴニオ、特殊試料ホルダーを購入し「試料高真空移送装置」を作製した。平成8年9月に完成し、作製試料の構造評価に用いている。 [2]超高真空電子ビーム蒸着法により、種々の条件下で、非晶質Al2O3(アルミナ)膜/Feナノ粒子/Al2O3膜サンドイッチ積層膜を作製し、Feナノ粒子構造、ナノ粒子状態と磁気特性について調べた。その結果、(a)Fe粒子はbcc構造を有し、10nm以下で超常磁性となる。(b)10nm以上の粒子が2次的に密に配列(ギャップ間隔数nm)することにより軟磁気特性を示す。(c)粒子間隔が広がるにつれ、保磁力は上昇する。などの結果が得られた。
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