研究課題/領域番号 |
07455266
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
横尾 俊信 京都大学, 科学研究所, 教授 (90158353)
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研究分担者 |
林 紅 京都大学, 科学研究所, 助手 (10283665)
内野 隆司 京都大学, 科学研究所, 助手 (50273511)
幸塚 広光 京都大学, 科学研究所, 助教授 (80178219)
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キーワード | 非線形光学材料 / 重金属イオン / 遷移金属イオン / THG法 / Z-scan法 / 酸化物薄膜 / ゾル-ゲル法 / 二次の超分極率 |
研究概要 |
本研究では、非線形光学特性の向上に大きく寄与すると予想される重金属ならびに遷移金属イオンを含む酸化物に着目し、種々の重金属ならびに遷移金属酸化物を結晶あるいは非晶質の状態で作製し、既存設備であるTHG光学系ならびに新たに導入するZ-scan光学系を用いて、得られた試料の3次非線形光学感受率の符号ならびに複素成分を決定し、その結果に基づいて新たな非線形光学材料の創製を目指すことを目的とした。 まず、購入したCCD検出器を用いてZ-scan光学系を組立て、測定が可能になるようにした。また、現有設備であるTHG光学系を用いてゾル-ゲル法により作製した重金属ならびに遷移金属イオンを含む酸化物薄膜の三次光学感受率の測定を行った。その結果、Fe^<3+>およびPb^<2+>イオンはそれぞれ3.5×10^<-34>および2.8×10^<-34>esu cm^3という非常に大きな二次の超分極率を有し、これらのイオンを含む酸化物は非常に大きな三次の非線形光学感受率を与えることを見いだした。さらに、各種鐡酸化物の非線形光学感受率を測定し、鉄の酸化状態、配位数、結晶構造と二次の超分極率γとの関係を調べた。その結果、酸化状態が高いほど(Fe^<2+>→Fe^<3+>→Fe^<4+>)、また配位数は大きいほど(4→6)、γは大きくなることを見出した。特に、ベロブスカイト構造を有する(Ca,Sr)FeO_<3-x>は有望な非線形光学材料であるとの結論を得た。 以上の成果を、論文にまとめ国際誌に投稿した。
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