研究課題/領域番号 |
07455270
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山岡 仁史 京都大学, 工学研究科, 教授 (80026004)
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研究分担者 |
松本 幸三 京都大学, 工学研究科, 助手 (90273474)
松岡 秀樹 京都大学, 工学研究科, 助教授 (40165783)
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キーワード | クライオジェニック(極低温) / 先端複合材料 / 高分子材料設計 |
研究概要 |
本研究は、極限材料の一種であるクライオジェニック(極低温)領域で使用可能な先進複合材料を開発することを最終目標とし、そのために必要な基礎的知見を集積して、材料設計の指針を与えることを目的とした。初年度の実験結果から、高分子材料の化学構造と低温特性との関係については、一般に、結合角を変化し得るような主鎖骨格をもつポリマーがより優れた低温特性を示すように見受けられ、この理由は分子鎖のセグメント運動が凍結された場合においても、変形が主として高分子鎖中に存在する原子価角の変化によって保持されるためであると考えられた。本年度は、ポリマーの結晶化度とクライオジェニック特性との関係について検討したが、この問題は複雑であり、例えばポリフェニレンスルフィドの場合は破壊伸びが結晶化度とともに増大するが、ポリエチレンナフタレートの場合には結晶化度の増加とともに脆性破壊の様和を示し、破壊伸びは減少した。さらに、これらのポリマーをマトリックス樹脂として種々のガラスおよび炭素繊維強化複合材料を調製し、クライオジェニック領域における機械的特性について実験を行った。その結果、これらの複合材料のクライオジェニック特性は、マトリックス樹脂および強化材の種類、あるいは強化材の充填率に依存するだけでなく、強化材表面の処理方法や複合材料を成形する時の加工条件、とくに成形温度と時間および圧力に大きく影響されることが明らかとなった。これはクライオジェニック先端複合材料を設計するための有用な知見である。
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