研究課題/領域番号 |
07455271
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研究種目 |
一般研究(B)
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
石田 清仁 東北大学, 工学部, 教授 (20151368)
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研究分担者 |
大沼 郁雄 東北大学, 工学部, 助手 (20250714)
貝沼 亮介 東北大学, 工学部, 助教授 (20202004)
大谷 博司 東北大学, 学際科学研究センター, 助教授 (70176923)
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キーワード | 粒界偏析 / 結晶粒径 / 界面 / 熱力学 / 結晶粒界 |
研究概要 |
粒界における不純物元素の平衡偏析はMcLeanの式で表される事が知られているが、結晶粒径の影響が考慮されていないので理論的な考察を行った。結晶粒径をR、粒界の厚さをtとすると全粒界が占める体積分率fは、f=(t/2・4πR^2)/(4/3πR^3)=3t/2Rで近似される。従って試料組成をx^0、粒界濃度をx^bとすると、粒内濃度X^mは次のように表せる。x^m=x^0-(3t/2R)x^b。これより結晶粒径の影響を考慮したMcLeanの修正式を得る事が出来た。この式に基づき、2元系及び3元系による粒界偏析に及ぼす結晶粒径の影響について定量的計算を試みた。2元系については不純物量と偏析エネルギーの違いによって粒径の影響も異なるが、(i)低温程結晶粒の効果が大きい(ii)粒径が数百ミクロン以上では粒径の違いは粒界偏析に殆んど影響しない事がわかった、また不純物量が小さい時には、結晶粒が細かくなると、低温における粒界偏析はある一定の値になる。これは結晶粒が細かくなると、バルクの不純物が微量なので粒界に供給できなくなり、その限界量^*x^bは2Rx^0/3tである。一方3元系については、不純物元素XとYの偏析エネルギーΔG^s_XとΔG^s_Yの大小によって大きく変化する。即ちΔG^s_X>ΔG^s_Yの場合には、Xの粒界濃度は結晶粒径が小さくなると常に減少するが、Yの粒界偏析量はx^0とy^0に依存し、温度とともに変化する。又、ΔG^s_X>ΔG^s_Yの場合にはYの粒界偏析量をある値以下にした時には、粒径を大きくする事も効果がある事がわかった。
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