研究課題/領域番号 |
07455271
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
石田 清仁 東北大学, 工学部, 教授 (20151368)
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研究分担者 |
大沼 郁雄 東北大学, 工学部, 助手 (20250714)
貝沼 亮介 東北大学, 工学部, 助教授 (20202004)
大谷 博司 東北大学, 学際科学研究センター, 助教授 (70176923)
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キーワード | 粒界偏析 / 結晶粒径 / 界面 / 熱力学 / 結晶粒界 / 不純物 / 偏析エネルギー |
研究概要 |
平成7年度で行った粒界偏析に及ぼす結晶粒径の影響の理論解析の妥当性を確認するために、Cu-0.0015at%Bi合金の粒径と粒界偏析量との関係を測定した。この試料は900℃で焼鈍する事によって、十分な冷間加工性を有しているので、室温でスウェージングにより60%の加工を与えた後、500℃で100時間の処理を行った。この処理を施する事によって、再結晶による微細粒組織を得るとともに、平衡偏析処理も同時に行う事が出来た。一方、粗粒の試料は、900℃で焼鈍する事により得たが、その後500℃で100時間の平衡偏析処理を施した。この様な試料を高真空中で粒界破壊させ、粒界に偏析しているBi濃度をオージェ電子分光分析装置により測定した。この時の測定条件は、加速電圧5kV,ビーム径500nm,電流100nAである。この様にして得られた粒径rと粒界偏析量X^bとの関係は、平成7年度で得たMcLeanの修正式 (〕.SU〔) (^0X :試料組成、t:粒界の厚さ、ΔG^s_x:偏析エネルギー)で説明する事が出来た。又、Cu中のBiの偏析エネルギーは、実験結果により、約62.5kJ/molと見積もられたが、この値は従来の報告値56〜66kJ/molとよく一致した。以上により、溶質原子が微量の場合には、粒界偏析量に及ぼす結晶粒径の影響が非常に大きい事が実験的にも又、理論的にも明らかになった。
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