研究課題/領域番号 |
07455272
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研究機関 | (財)電気磁気材料研究所 |
研究代表者 |
増本 健 (財)電気磁気材料研究所, 所長 (20005854)
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研究分担者 |
岸田 紀雄 (財)電気磁気材料研究所, 合金材料グループ, 主任研究員 (50111092)
松崎 邦男 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (20181711)
菊地 迪夫 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (30204837)
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キーワード | Cu基合金 / Cu-Ag-La合金 / Cu-Ag-Ce合金 / 非固溶型アモルファス合金 / Cu基ナノ結晶合金 / ストレーンゲージ特性 |
研究概要 |
非固溶型の元素を90at%以上含む合金系としてCu-Ag系合金に着目し、これにLn元素を添加した3元合金について、液体急冷法によってアモルファス化し、その構造、ナノ結晶化による構造変化あるいは熱的安定性および基礎的諸物性などについて調べた。その結果、Cu-Ag-La系合金においては、Ag20〜70at%、La3〜10at%の範囲で、Cu-Ag-Ce系合金においては、Ag30〜55at%、Ce3〜8at%のような広い範囲でアモルファス相が得られた。これらのアモルファス合金は、結晶化温度が400〜500Kのように高く、ビッカース硬さが300、引張強さが750MPa、ヤング率が120GPaのような高い値を示した。特に、電気抵抗はCu基合金であるにも拘わらず、比抵抗が0.75〜0.90μΩ・mとなり、歪に対する感度も高く、ゲージファクターは2.4のものが得られた。一方、結晶化過程について、X線および電子線回折、透過電顕観察などによって調べた結果、第1ステージにおいて、 Am→Am+fcc Cu(Ag)+fcc Ag(Cu) →Cu+Ag+unknown compound のようなナノオーダーのfcc微細結晶相が初期晶出し、それに伴って機械的性質も向上し、引張強さにおいては950MPaの最高値が得られた。結晶成長速度から算出した活性化エネルギーは130〜160kJ/molであった。今後は、これらの優れた物理的性質を解析し、さらに優れた特性を示すような組成や熱処理法を探索し、センサー材料あるいはアクチュエーター材料としての応用の可能性を追求する。また、本研究で得られたアモルファス合金は酸化挙動においても特異な性質を示すことが予備実験で明らかになっているので、この分野への研究も展開する予定である。
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