研究課題/領域番号 |
07455274
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
辻本 得藏 茨城大学, 工学部, 教授 (40250980)
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研究分担者 |
鈴木 徹也 茨城大学, 工学部, 助手 (70261740)
友田 陽 茨城大学, 工学部, 教授 (90007782)
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キーワード | 素粉末反応焼結法 / TiB_2 / 組織制御 / 結晶制御 / 高温強度 / 押出加工 / 集合組織 / 素材製造法 |
研究概要 |
素粉末反応焼結法をセラミックス分散型TiAl基合金の加工用素材製造法と考え、素粉末反応焼結による素材製造法自体と、製造性及び材料特性に及ぼすTiB_2の影響を研究した。 素粉末反応焼結法に関しては、従来の1380℃CHIP法に代わる安価な新しい製造法を案出した。即ち、700℃でCHIPした加工混合粉は加工成形性に優れ、その後の高温加熱により健全で多彩な平衡組織を形成することを本研究により発見した。TiB_2の添加は組織の粗大化防止に有効であった。またTiB_2粒子はα_2相とγ相の区別なく均一に分布した。 本年度の研究により判明したもう一つの点は、素粉末反応焼結法ではその工程に含まれる押出し加工と熱処理により、選択方位が非常に良く発達することである。この結果素粉末反応焼結法では、一方向凝固したTiAl基合金と同程度に結晶方位を制御した材料の入手が可能であることが判明した。素粉末反応焼結法における結晶方位制御の起源は、押出し加工によりαTiの集合組織が形成される点にある。 TiB_2添加材の1000℃における強度は結晶粒径依存性が小さく、一方TiB_2無添加材の強度の結晶粒径依存性は大きかった。このため、結晶粒が微細である時にはTiB_2添加材の強度が大きく、結晶粒が粗大である時にはTiB_2無添加材の強度が大きという結果になった。良く知られている分散強化理論ではこの挙動は理解できないという点で、強度に与えるTiB_2の働きについては検討すべき課題が新たに発生した。
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