研究概要 |
本研究は希土類永久磁石材料ならびに希土類超磁歪材料を対象に凝固組織ならびに熱処理による組織制御によって磁性特性を格段に向上させる指針を提示するものである。 1.急速凝固による準安定Nd2Fe14B相の生成条件 デンドライト成長条件と高い界面温度を有する相が選択される,と基準を用いることでγFeとNd2Fe14Bの相選択を検討した。急速凝固によって準安定Nd2Fe14B相の生成凝固条件,すなわち,初期組成:凝固速度依存性を明らかにした。 2.Tb-Dy-Fe状態図の作成 従来TbとDyは科学的性質に極めて近似しており,Laves相を中心に溶解・凝固・固体変態にいたる状態図の作成についても,例えばTb:Dy=3:7断面で十分であり,TbとDyの特性を考慮したTb-Dy-Fe状態図の作成をなされていなかった。本年度Laves相の生成に必要な三元系状態図を作成した。Laves相内のFe固溶度・TbとDyの相互溶解度,RE相内のTbとDyの挙動についてデータ変えられた。材料プロセッシングを考える上で有用であった。 3.TbDyFe2の一方向凝固と相選択 高温度勾配500℃/cmのもとで包晶反応・共晶反応時での相選択の様相を調べ,TbDyFe2の生成条件・優先結晶成長方位を明確にできた。
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