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1996 年度 実績報告書

ジルコニアセラミックスの二相分離

研究課題

研究課題/領域番号 07455277
研究機関東京大学

研究代表者

佐久間 健人  東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (50005500)

キーワードジルコニア / 熱力学 / 相平衡 / 相転移 / メカニカルアロイング
研究概要

本研究において得られた実績は以下のように要約される。
(1)ほぼ定比組成を有するZrO_2-CeO_2の立方晶-正方晶(c-t)相転移挙動を調べた結果、この相転移が2次相転移と見なしうるものであると結論した。CeO_2添加による立方晶安定化作用は、Ce^<4+>イオンのイオン半径効果によるものである。これは2価あるいは3価の陽イオンを添加した場合の酸素イオン空孔の作用とは異なっている。
(2)メカニカルアロイング法によって、ZrO_2中にZrNを固溶させることができる。ZrNの固溶によって立方晶(あるいは正方晶)が安定化されるが、これは電気的中性条件を維持するために導入される酸素イオン空孔の作用であるとして説明できる。ZrO_2-ZrN固溶体は不安定であり、およそ700℃以上の温度で大気中で加熱するとNは固溶体中より除去される。
(3)ZrO_2-R_2O_3(R:Y,Gd,Sm,Nd)系のc-t二相領域の幅が系によって異なることを見出した。これは、R^<3+>イオンとZr^<4+>イオンのイオン半径差に起因して立方晶中に生じるひずみエネルギーを考慮することによって熱力学的に説明できることを示した。また、ZrO_2-R_2O_3系の相平衡が、我々が最初に提案したようにc-t相転移を2次相転移を仮定して説明できることを再確認した。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] S.Torng,K.Miyazawa T.Sakuma: "The diffusionless cubic-to-tetragonal phase transition in near-stoichiometric ZrO_2-CeO_2" Ceramics International. 22. 309-315 (1996)

  • [文献書誌] J.Katamura,T.Yamamoto X.Qin,T.Sakuma: "Mechanical alloying in the system ZrO_2-ZrN" Journal of Materials Science Lett.,. 15. 537-538 (1996)

  • [文献書誌] 片村淳二,佐久間健人: "高強度・高靱性ジルコニア" 金属. 66. 1021-1026 (1996)

  • [文献書誌] 山本剛久、片村淳二 秦西平、佐久間健人: "メカニカルアロイングによるZrO_2-ZrN固溶体の作製" 粉体および粉末冶金. 42. 944-947 (1995)

  • [文献書誌] J.Katamura,T.Seki T.Sakuma: "The cubic-tetragonal phase equilibria in the ZrO_2-R_2O_3(R:Y,Gd,Sm,Nd)systems" Journal of Phase Equilibria. 16. 315-319 (1995)

  • [文献書誌] S.Torng,K.Miyazawa T.Sakuma: "Role of oxygen vacancies on cubic-tetragonal phase transition in ZrO_2-CeO_2" Materials Science & Technology. 11. 130-135 (1995)

  • [文献書誌] 日本学術振興会: "材料システム学" 共立出版, 373 (1997)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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